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賢き友と共に歩め、心穏やかに道を進め


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■引用原文(日本語訳)

第二三章 象(三二八)
もしも思慮深く聡明で、まじめな生活をしている人を伴侶として共に歩むことができるならば、
あらゆる危険困難に打ち克って、心は喜びに満ち、想いも静まり、共に歩め。


■逐語訳

  • 思慮深く聡明で:洞察力と知恵があり、軽はずみな行動をしない人。
  • まじめな生活をしている人:戒律や倫理を守り、誠実に生きる人。
  • 伴侶として共に歩む:生活や道をともにするパートナー・同志。
  • あらゆる危険困難に打ち克って:試練や災難に屈することなく乗り越え。
  • 心は喜びに満ち:精神的な安心と充足を得る。
  • 想いも静まり:心の波が収まり、落ち着きと明晰さがもたらされる。
  • ともに歩め:そうした人物とは、信頼して共に歩んでいけ。

■用語解説

用語解説
思慮深く聡明な人慎重さと洞察を備えた人物。仏教においては「善友」とされ、修行や人生の進行にとって極めて重要な存在。
まじめな生活(サーマチャーリー)清らかで誠実な日常の実践。仏教での「正しい行い」にあたる。
危険困難(バヤー・ドゥッカ)外的な困難だけでなく、心の動揺・煩悩なども含む広義の苦しみ。
念いをおちつける(チッタ・サマタ)瞑想や徳ある交わりにより心が静まること。悟りの前提条件。

■全体の現代語訳(まとめ)

もし、慎み深く賢明で、誠実に生きる人物と一緒に歩むことができるならば、
たとえ多くの困難に遭っても、心は明るく、思いは静まり、安心してともに歩むことができる。
だからそのような人がいるなら、迷わず共に道を進むべきである。


■解釈と現代的意義

この節は、「善き友」「信頼できる伴侶・仲間」の重要性を説いています。
仏教では、「善き友(カリヤーナ・ミッタ)」は人生と修行の道を左右する最も大切な支えとされており、
誤った人間関係によって人生が崩れ、正しい人間関係によって救われることが繰り返し説かれます。

この章句は、孤独な道でなく、共に支え合い、心を穏やかに保ち続ける関係こそが、人生の本当の財であるというメッセージを含んでいます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
チームビルディング誠実で知的、地に足のついた人材と共に働けば、困難なプロジェクトでも前向きに乗り越えられる。
パートナー選び実力や利益ではなく、人間性や行動の一貫性を重視してビジネスパートナーを選ぶべき。
メンタル安定性信頼できる同僚・上司がいれば、プレッシャーや不安も静まり、仕事への集中力が増す。
採用基準「成果」よりも「考え方」や「日々の生活の誠実さ」を重視することが、組織文化を支える。

■心得まとめ

「真の友と歩む道は、困難を越えて心を静める」

賢く誠実な人と共に歩むことは、何にも代えがたい宝である。
そのような人がいれば、どんな困難にも心を乱されることなく、
静かに、そして喜びをもって進んでいける。
ビジネスでも人生でも、「誰と共に歩むか」が、行き先を決める。

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