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苦しみは癒える――正しい道を歩むならば


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■引用原文(ダンマパダ 第二〇章「道」第275偈)

汝らがこの道を行くならば、苦しみをなくすことができるであろう。
(棘が肉に刺さったので)矢を抜いて癒す方法を知って、わたくしは汝らにこの道を説いたのだ。


■逐語訳

  • あなたたちがこの道(=正しい修行の道)を歩むならば、
  • 苦しみ(=心の痛み・執着・煩悩)を終わらせることができるだろう。
  • 肉体に刺さった矢を抜き、癒す方法を知った者として、
  • 私(=仏陀)はあなたたちにこの道を説いたのである。

■用語解説

用語解説
この道苦を滅するための八正道。正見・正思惟・正語などによって自己を律する修行の道。
苦しみ(ドゥッカ)人生の不満、老い・病・死・執着から来る心の悩み。
矢を抜いて癒す方法たとえとして、煩悩という“刺”を抜き、心を癒す正しい方法を指す。仏陀の教えの中心的比喩の一つ。
説く教えるだけでなく、実体験から得た方法を慈悲によって伝える行為。

■全体の現代語訳(まとめ)

もしあなたたちが、私が示したこの修行の道を忠実に歩むならば、人生におけるあらゆる苦しみから解放されるであろう。私は、自ら苦しみの矢を抜き、癒す方法を見出した者として、その方法をあなたたちにも惜しみなく伝えているのだ――この道こそが、真の癒しへの道なのだ。


■解釈と現代的意義

この偈は、仏陀の教えが単なる理論や思想ではなく、「苦しみに刺された実体験から導き出された癒しの処方箋」であることを示しています。苦しみは不可避だが、それを和らげ、根源から取り除く方法はある――しかも、それは実行することによってのみ効果があると強調されます。

現代においても、人間関係、仕事の重圧、将来への不安といった「心の矢」は誰にでも突き刺さるものです。そのとき、「痛みを無視する」のではなく、「痛みを見つめ、抜く方法」を学び、実行することの重要性を教えてくれます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
課題への向き合い方問題(矢)から目をそらさず、原因を見抜いて根本から解決する姿勢が重要。対症療法ではなく根治療法を目指す。
指導者のあり方自らの失敗や苦悩から学んだことをもとに、部下や後輩に「道」を示すリーダーが信頼される。
実行重視のマインドどれほど優れた指針があっても、実行しなければ苦しみは癒えない。学びを行動に移すことが真価を生む。
メンタルケアと成長組織における精神的ストレスに対しても、逃避や我慢ではなく、対処法・癒し方・価値観の見直しによって健全化を図る。

■心得まとめ

「学ぶだけでは癒えない。歩むことでしか、苦しみからは自由になれない」
仏陀の教えは、体験に裏打ちされた実践の道である。あなた自身の中にある“痛みの矢”を見つめ、抜き、癒すには、正しい道を信じて歩むしかない。ビジネスの中でも、問題を見て見ぬふりをせず、**「原因に向き合い、行動によって癒す」**姿勢が、真の変化をもたらす。


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