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欲を離れ、清らかに思慮深く生きる者が“道の人”である


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第十九章 二六七)

この世の福楽も罪悪も捨て去って、
清らかな行ないを修め、よく思慮して世に処しているならば、
かれこそ〈托鉢僧〉と呼ばれる。


📝 逐語訳

「この世の喜び(福)も、苦しみや悪しき行い(罪)も共に捨て去り、
身を清らかに保ち、正しい行いを習慣とし、
よく考え、深く思慮して生きている者――
その人こそが、真の〈托鉢僧〉である。」


📖 用語解説

用語意味
この世の福楽(サンパティ)財産、快楽、地位など、感覚的・世俗的な幸福。
罪悪(アパパ)不善業。倫理的に誤った行為・心の汚れ。
清らかな行ない(スチチャリヤー)戒律にかなった行動。自己と他者を傷つけない清浄な実践。
思慮して世に処す(サニンディトヴァ・ロケ)衝動や無自覚に生きるのではなく、熟慮し、真理に照らして行動すること。
托鉢僧(ビク/比丘)出家者・修行者の意。世俗から離れ、欲望を断ち、仏道に専念する者。ここでは「真理を生きる者」の象徴。

🌏 全体の現代語訳(まとめ)

世の中の快楽にも、悪にも引きずられることなく、
心と行いを清らかに保ち、慎み深く、思慮深く生きている人――
その人こそ、外見ではなく、本質から「托鉢僧(道を歩む者)」と呼ばれるにふさわしい存在である。


🔍 解釈と現代的意義

この偈は、「本当の修行者」とは単に苦行をする人でもなければ、快楽を否定する人でもなく、
欲望にも悪行にも染まらず、清らかに賢く生きる人であるという仏教的なバランスの美徳を示しています。
つまり、喜びも罪も超えて、常に整った判断と行動をとることこそが、道を実践する生き方だと説いているのです。

この視点は、現代においても「感情や利益に流されず、原則と良心に従って生きる姿勢」の大切さを私たちに教えてくれます。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用
バランス感覚と原則重視利益(福)や誘惑に流されず、不正(罪)にも染まらずに判断・行動できる人が、リーダーとして信頼される。
自己律と誠実な行動自らを律し、欲に溺れずに淡々と正道を行く人が、組織に安定と安心をもたらす。
冷静な意思決定衝動的に動かず、十分に考えたうえで行動する姿勢が、信頼と成果を両立する鍵となる。
人格と成果の一致一時的な成功ではなく、人格と行動に一貫性がある人が、長期的に評価され続ける。

🧠 心得まとめ(ビジネス向け)

「快楽にも罪にも揺れず、静かに、清らかに、思慮深く」

真のプロフェッショナルとは、成果や損得ではなく、
誠実さと冷静さ、そして清らかな行動で世界と関わる人。
その姿は目立たずとも、信頼を積み重ね、やがて周囲に静かな影響力をもたらす。
仏の道は、日常の小さな判断と心のあり方にこそ現れるのです。


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