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内なる毒を断ち、静かに気高く生きる


目次

📜 引用原文(『ダンマパダ』第十九章 二六三)

これを断ち、根絶やしにし、憎しみをのぞき、聡明である人、
かれこそ「端正な人」とよばれる。


📝 逐語訳

「これ(煩悩)を断ち、その根を完全に絶ち、
心から憎しみを除き去り、智慧をそなえた人――
その人こそが〈端正な人〉と呼ばれる。」


📖 用語解説

用語意味
これ(イダン)煩悩・執着・欲望など、心を濁らせる一切の心の毒。
断ち、根絶やしにし(チッチェ・ムーラム・サ・チェッチェ)表面的な抑制ではなく、煩悩の根本原因を断ち切る修行行為。
憎しみをのぞき(ヴェーパナドー)怒り・恨み・復讐心など、他者に向けた否定的感情を完全に手放すこと。
聡明である人(パンディタ)知識だけでなく、内面の理解と実践をともなう智慧ある者。
端正な人(スンバタ)外見に関係なく、心が清らかで調和のとれた人間性をもつ者。

🌏 全体の現代語訳(まとめ)

煩悩を断ち、その根を徹底的に取り除き、
心の奥に潜む怒りや憎しみを消し去り、
智慧をもって人生を導く人こそ、
本当に美しく気高い〈端正な人〉であると称えられる。


🔍 解釈と現代的意義

この偈は、「真に美しい人間性とは何か」を問うものです。
見た目でも、言葉でもなく、内なる煩悩や怒りを手放し、心を整えた人が「端正」と呼ばれる。
つまり、静かに怒りを手放し、清らかさを追求する姿勢こそが、人としての本当の美しさであり尊さなのです。
怒りや恨みは、人間関係だけでなく、自身の判断力や幸福感をも蝕みます。
それらを根本から除く修行こそが、成熟の証です。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用
感情のコントロール怒りや嫉妬に支配されず、冷静に対応できるリーダーは、信頼と安心感をもたらす。
人間関係の修復感情的対立があっても、憎しみを手放し、共通の目的に向かって進む姿勢が大切。
本質的な改善表面的な対症療法ではなく、問題の根本(原因・構造)を見抜いて解決する姿勢が、真のプロフェッショナリズム。
人格としての信頼性派手さではなく、内面的な安定と透明さが、上司・部下・取引先からの長期的信頼を生む。

🧠 心得まとめ(ビジネス向け)

「怒りを断ち、心を整える者こそ、本物の美しさを持つ」

人としての「端正さ」は、見た目や肩書きではなく、
怒りや煩悩を根から断ち、智慧をもって静かに生きる姿に宿る。
成熟とは、反応せず、内側から清らかに整っていること。
そのような人こそが、時代や立場を越えて、真に尊敬される存在です。


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