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正義とは、怒りなく、理にかなって導くこと


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第十九章 二五六〜二五七)

二五六
あらあらしく事がらを処理するからとて、公正な人ではない。
賢明であって、義と不義との両者を見きわめる人、

二五七
粗暴になることなく、きまりにしたがって、公正なしかたで他人を導く人は、
正義を守る人であり、道を実践する人であり、聡明な人であるといわれる。


📝 逐語訳

  • 二五六:「怒りを伴って事を裁く者を公正とは言わない。本当に公正な人とは、正と不正を見分ける智慧ある者である。」
  • 二五七:「激情に駆られることなく、法に則って穏やかに人を導く者こそが、真の正義の人であり、聖なる道を歩む者である。」

📖 用語解説

用語意味
あらあらしく処理する怒りや粗暴な態度で判断・対応すること。
義と不義正しきことと、正しくないこと。
きまりにしたがって慣習や道理、倫理・仏法に従って。
正義を守る人(ダンマッタ)真理と道徳に従い、偏らずに判断する者。
道を実践する人(ダンマチャーリー)教えを実生活に活かし、歩む者。

🌏 全体の現代語訳(まとめ)

怒りや強引さで物事を裁く者は、公正とはいえない。
真の正義とは、物事の善悪を見極め、理にかなった導きをなすことにある。
穏やかで冷静に判断し、道理に基づいて人を導く者こそが、仏の教えを実践する人間であり、聡明な人格者であると讃えられる。


🔍 解釈と現代的意義

この教えは、真のリーダーシップとは「怒って支配すること」ではなく、「智慧と穏やかさで人を導くこと」であると説いています。
「正義」は声を荒げて強制するものではなく、物事を正しく判断し、納得感をもって導く力から生まれるものです。
現代社会において、感情で動くのではなく、原理・原則と洞察力に基づく冷静な行動こそが、信頼と尊敬を得る鍵です。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用
マネジメント部下のミスに感情的にならず、冷静に是非を判断し、対話を通じて育成する姿勢が求められる。
判断基準社内規則や倫理観を土台にしつつ、事例ごとの背景や人間性も見て「何が正しいか」を導き出す力が重要。
人間関係怒りや強制ではなく、「納得」と「共感」を引き出すコミュニケーションが、信頼ある関係構築につながる。
トラブル対応クレームや障害対応においても、感情に流されず、丁寧で中立な対応がブランドの信頼を守る。

🧠 心得まとめ(ビジネス向け)

「怒りは力ではない。導く者に必要なのは、冷静さと洞察力である」

粗暴さではなく、理にかなった穏やかな対応こそが「真の強さ」であり、リーダーシップである。
感情に支配されず、正義の心をもって判断し、導く者は、人々から信頼され、道の中心を歩む者となる。
私たちが実務の現場で実践すべきは、静かにして確かな「正義の導き」である。


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