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真理に立つ者は、変化に動じない


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📜 引用原文(日本語訳)

虚空には足跡が無く、外面的なことを気にかけるならば、〈道の人〉ではない。造り出された現象が常住であることは有り得ない。真理をさとった人々(ブッダ)は、動揺することがない。
——『ダンマパダ』第18章「汚れ」第255偈


📘 逐語訳

  • 虚空には足跡が無く:悟りの道(真理)は、物理的・外面的な形では捉えられない。
  • 外面的なことを気にかけるならば、〈道の人〉ではない:儀礼・見た目・世俗の評価ばかりを気にする者は、真の修行者ではない。
  • 造り出された現象が常住であることは有り得ない:すべてのもの(形・関係・出来事)は無常であり、永遠不変ではない。
  • 真理をさとった人々(ブッダ)は、動揺することがない:無常を悟った者は、変化や喪失に心を乱されることがない。

🧾 用語解説

用語意味
造り出された現象(サンカーラ)原因と条件によって成り立つすべての現象(物質・感情・関係など)。
常住永遠に存在し続けること。不変性。仏教はこれを否定し「無常」と説く。
ブッダ目覚めた者。必ずしも釈迦一人を指さず、悟りを得たすべての者を含む。
動揺しない外部の変化や感情に振り回されず、平静さを保つ心の状態。

🌏 全体の現代語訳(まとめ)

真理の道には、空に足跡が残らないように、外から見えるしるしは存在しない。
だから、外見や形式を気にするばかりの者は、本当の道を歩む者ではない
この世のすべての現象は、一時的に「現れたに過ぎないもの」であり、永遠に保たれることはない
しかし、そうした無常を深く悟った者は、変化に動じることなく、静かに在り続けるのである。


💡 解釈と現代的意義

この偈は、仏教における「無常の真理」と「悟りの境地」を対比して示しています。

人は常に「変わらないもの」を求め、形に頼り、安心を外に求めます。
しかし、仏陀は言います。
この世に変わらぬものなどない。すべては生じ、そして滅する。

そして、その真理を知る者(ブッダ)は、たとえ何が起ころうとも、心を乱さず、静かに在り続けることができる。
それが、真理の人=悟りの人なのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
外見主義の罠ブランドや肩書・表面の実績にとらわれすぎると、判断を誤る。
無常を知る経営市場や組織は常に変化するものと理解し、変化への対応力を鍛えることが重要。
レジリエンス変化や失敗に動じず、再起できる心の柔軟さこそ、リーダーに必要な資質。
本質主義「形」よりも「中身」や「理念」に重きを置く組織が、長期的に成長する。

🧭 心得まとめ

「変わらぬものなどない。だからこそ、動じぬ心を持て」

この世のすべては移ろいゆく。
しかしその中で、動じない心・真理に根ざした生き方を貫く者こそが、真の道の人である。
空に足跡は残らなくとも、心の中の静けさが、道を示してくれる


この偈は『ダンマパダ』第18章「汚れ」の締めくくりにふさわしく、形ではなく本質を見よ、無常に備えて動じぬ心を育てよという教えで章を閉じています。

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