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清らかな者に、悪は触れない――無垢な心こそ、最強の防御である


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■原文(日本語訳)

もしも手に傷が無いならば、その人は手で毒をとり去ることもできるであろう。傷の無い人に、毒は及ばない。悪をなさない人には、悪の及ぶことがない*。
(『ダンマパダ』第九章「悪」第124偈)


■逐語訳(一文ずつ訳)

  1. もしも手に傷が無いならば、その人は手で毒をとり去ることもできるであろう。
     → 手に傷がなければ、たとえ毒に触れても体に害は及ばず、安全に処理できる。
  2. 傷の無い人に、毒は及ばない。
     → 傷のない清浄な者には、毒(=悪)は入り込むすきがない。
  3. 悪をなさない人には、悪の及ぶことがない。
     → 他者に悪をなさない清らかな人には、悪の報いも災いも届かない。

■用語解説

用語解説
手の傷心の弱さ・欲・怒り・嫉妬など、悪が入り込む「隙」。
悪意・罪・害ある影響。
悪をなさない人思い・言葉・行いにおいて清らかな者。自ら悪を為さず、他に危害を加えない人。
及ぶ影響する、害を与えること。

■全体の現代語訳(まとめ)

手に傷がなければ、毒に触れても害は及ばない。
同じように、心に傷(=悪意や弱さ)がない者には、外からの悪も届かない。
だから、日ごろから悪をなさず、清らかさを保つ人には、悪因悪果の災いすら届かない――これがブッダの智慧である。


■解釈と現代的意義

この偈は「悪の影響を受けるのは、内側に隙があるからだ」と説いています。
つまり、他者の悪意や世間の不正が自分を傷つけるのではなく、それに反応し、染まりやすい“自分の心の弱さ”が傷の原因なのです。
逆に、内面が穏やかで誠実であれば、たとえ周囲に毒があっても、動じることなく平安を保てます。これは現代の「メンタル強さ」にも通じる智慧です。


■ビジネスにおける解釈と適用

テーマ応用解説
外部環境への耐性批判・悪口・不正な圧力があっても、自らに誠実さと清廉さがあれば、それに巻き込まれずにいられる。
信頼の構築不正や誤魔化しに手を染めない姿勢は、他者の悪を跳ね返す“透明な防御”となり、信頼を築く基盤になる。
内部の傷=心の盲点欲望・嫉妬・焦りといった“内面の傷”があると、外の毒が染み込みやすくなる。自己認識と修養が鍵。
汚れないリーダーシップ清らかで誠実なリーダーは、どんな状況でもブレず、周囲に安心感をもたらす“毒に染まらぬ人”となる。

■心得まとめ

「外の毒よりも、内の傷を恐れよ」

悪意ある人・環境・出来事は避けがたい。
しかし、それに染まるかどうかは、自分の“心の傷”しだいである。
だからこそ、常に心を磨き、悪をなさず、清らかであり続けること。
その清浄さが、あらゆる毒から自分を守る最大の防御となる。


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