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📖 引用原文(日本語訳)
おのが罪過を指摘し過ちを告げてくれる聡明な人に会ったならば、
その賢い人につき従え。
隠してある財宝のありかを告げてくれる人につき従うように。
そのような人につき従うならば、善いことがあり、悪いことは無い。——『ダンマパダ』第六章「賢い人」第76偈
🔍 逐語訳
- 罪過を指摘し、過ちを告げる者:自分の欠点を率直に教えてくれる人
- その人につき従え:忠告を快く受け入れ、その人から学べ
- 隠された財宝のありかを教えてくれるように:価値ある知見や成長の機会を与えてくれる存在と見なせ
- 従えば、善があり、悪は無い:その人に従えば、徳が積まれ、災いを遠ざけられる
🧾 用語解説
用語 | 意味 |
---|---|
罪過(ざいか) | 道徳的・行動的な過ちや欠点のこと。 |
聡明な人 | 知恵を持ち、善悪を見極める能力のある人物。特に利己心を離れて忠告できる人を指す。 |
隠された財宝 | 普通は得がたい貴重なもの。ここでは「自分の欠点に気づく機会」を象徴。 |
善いことがある | 精神的・道徳的成長や幸福。 |
悪いことは無い | 自滅的な行動や失敗を防ぐことができる。 |
🌐 全体の現代語訳(まとめ)
自分の非をはっきりと指摘してくれるような、真に賢明な人物に出会えたなら、その人についていくべきである。それは、他人には見えない欠点に気づかせてくれるという意味で、まるで隠された財宝の場所を教えてくれるようなものである。その忠告に従えば、善きことは得られ、悪しきことは遠のくであろう。
🧑🏫 解釈と現代的意義
この偈は、「耳の痛い言葉」こそが最も貴重な助言であると教えています。人は本能的に、自分を肯定してくれる人や話に引き寄せられますが、実際に成長をもたらしてくれるのは、自分の課題や盲点を教えてくれる存在です。それを「敵」と見るのではなく「宝を告げる者」として尊敬することこそ、本当の知恵なのです。
💼 ビジネスにおける解釈と適用
テーマ | 解釈と適用 |
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フィードバック文化 | ミスを指摘してくれる同僚や部下を敬遠するのではなく、むしろ積極的に感謝し、改善の糧とすべき。 |
成長志向の姿勢 | 上司や先輩の厳しい指摘を“攻撃”ととらえるのではなく、“成長の種”としてとらえるマインドセットが重要。 |
リーダーシップと謙虚さ | 指摘を受けたときに、防衛的にならずに「それは財宝だ」と思えるリーダーは、組織からの信頼と敬意を集める。 |
採用・人材育成 | 忠告や苦言を真剣に受け止め、次に活かせる人材こそが将来的な柱になる。叱ってくれる人がそばにいることは企業にとって幸運。 |
🧭 心得まとめ
「忠告は心の財宝である。耳をふさがず、真っ先に受けとれ」
叱ってくれる人ほど、大切にすべき人である。自分の中の盲点や過ちを照らすその声は、心を磨き、徳を積む道しるべだ。それを逃げずに受け入れることで、あなたの未来には必ず“善”が訪れる。
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