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悪しき行いは、今も未来も心を蝕む


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第一章 第十五偈)

悪いことをした人は、この世で憂え、来世でも憂え、
ふたつのところで共に憂える。
かれは、自分の行為が汚れているのを見て、憂え、悩む。
――『ダンマパダ』 第一章 第十五偈


🔍 逐語訳

  • 悪行をなした者は、今この現世においても心に憂いを抱き、
  • 死後の世界(来世)においてもその結果に苦しむ。
  • 現世と来世という「ふたつの場」でともに悩み、
  • 自らの行為の汚れを振り返るたびに、苦しみと悔いに満たされる。

📘 用語解説

用語解説
悪いこと(悪業)他者を傷つける・欺く・奪うなどの不道徳的・反倫理的な行為。仏教では身・口・意による十悪などを指す。
この世(現世)生きている間の人生。行為の結果がすぐに現れることも多い。
来世(死後の存在)生死を超えた連続的存在の次の段階。仏教的には輪廻の一環。行為のカルマが持ち越されるとされる。
憂える・悩む(苦)精神的な後悔、良心の呵責。自覚のある苦しみ。
行為が汚れている欲望・怒り・欺瞞・執着などによって動かされた心と行動。倫理・智慧から外れた行い。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

悪事をなした者は、たとえその場ではうまく逃れたように見えても、
現実の中で人間関係や信頼を失い、自らの心に痛みや後悔を感じる。
さらに、死後の世界でもその業(カルマ)の結果から逃れることはできず、
内なる苦しみとともに生き、そして悩み続けることになる。
“悪いこと”はすぐには露見しなくても、心と未来に必ず影を落とすのだ。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、「因果応報」の厳粛な事実を静かに、しかし強く語っています。
誰も見ていないから、法律に触れなければ大丈夫だ――そう思う心の中にすでに「苦しみの種」がある。
現代においても、不正・虚偽・ごまかしといった行為は、
やがて信頼の喪失、内的な不安、精神的負債となって跳ね返ってきます。
そして何より、人は自分自身からは逃げられないということを、この偈は思い出させてくれます。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
倫理的判断力見えないところでの行動こそが、その人の真価を問う。信頼は一度失えば取り戻すのに時間がかかる。
不正リスクマネジメント短期的な利益を優先し不正を働けば、後に企業全体が社会的信用を失うことになる。
良心と心理安全性悪いことをした社員は、表面上は平静でも内心に不安を抱え、モチベーション・集中力・創造性に悪影響を及ぼす。
サステナビリティ経営瞬間的な数字よりも、長期的に清らかな行動がブランド・企業文化・事業基盤を強くする。

🪷 心得まとめ

「悪は、他人を欺く前に、自分の心を蝕む」
どんなに巧妙に隠しても、悪しき行いは心の奥に刻まれ、やがて後悔と苦しみとして現れる。
真の安心と繁栄は、“清らかな行動”の上にしか築けない。


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