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真実を見誤る者に、真理は訪れない


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第一章 第十一偈)

まことではないものを、まことであると見なし、
まことであるものを、まことではないと見なす人々は、
あやまった思いにとらわれて、
ついに真実に達しない。
――『ダンマパダ』 第一章 第十一偈


🔍 逐語訳

  • 真実でないものを、真実だと誤解し、
  • 真実であるものを、虚偽や無価値だと否定する人々は、
  • 錯覚や誤った認識(妄想)にとらわれて、
  • 最後まで真理に到達することができない。

📘 用語解説

用語解説
まことではないもの無常なもの、煩悩、名声、富、快楽など、一時的・相対的な価値に過ぎないもの。
まことであるもの無我・慈悲・智慧・戒律など、仏教が説く普遍的・絶対的な真理。
あやまった思い(妄想)誤解・錯覚・偏見による認識。真理を見抜けない状態。仏教では「無明」とも呼ばれる。
真実に達しない(不達サッチャ)解脱・悟り・智慧に至らない。人生の目的や幸福を誤った方向に追い続けてしまう。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

一時的な名声や物質的な快楽を「真の価値」と思い込み、
逆に、誠実さや節度、慈悲のような本質的価値を軽んじる人は、
誤った思考の中に閉じ込められ、本当の幸福や真理にたどり着くことができない。
正しいものを正しく見抜く眼――それこそが悟りの第一歩である。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、「価値観の誤認」が人間の最大の迷いであることを鋭く指摘しています。
現代では、目に見える成功(収入・地位・フォロワー数など)が「本当の幸せ」と錯覚されがちです。
しかし、それらは不変ではなく、執着すれば苦しみに変わる。
逆に、地味で見えにくい「誠実」「謙虚」「継続」といった価値こそ、人生を根本から支える本当の“まこと”であると気づくことが、真理に至る道です。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
経営判断一時的な利益や流行に飛びつくのではなく、長期的価値と信頼を重視する意思決定が求められる。
人材育成学歴・肩書きだけでなく、誠実さや学ぶ姿勢を見抜ける育成・評価の視点が必要。
ブランディング派手な広告や表面的な印象ではなく、実直な姿勢・本質的価値の提供がブランドの信頼を築く。
自己成長他人の評価や流行に流されることなく、自己内省と価値観の明確化によって、本当の成長を目指す。

🪷 心得まとめ

「偽りを真と思えば、真実は遠のく」
人生で何を“本物”と見なすか――それがその人の運命を決める。
真実を見抜く眼を育てよ。静かで、変わらぬものの中に、真理は宿る。

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