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上にあっても、礼は下るにあり


目次

一、現代語訳と要約

ある日、私(山本常朝)がある屋敷において、主(ある人物)と談話を交わしていた。
すると、途中で一人の出家(坊さん)が訪ねてきた

そのとき、主は上座にいたにもかかわらず、わざわざ末座に下りて一礼し、丁寧に挨拶を交わしたのである。
そして、その後はまた元の席に戻り、普段通りに戻られた。

この光景は、私が常に説いている「礼儀のけじめ」の好例である。


二、要点整理

観点内容
上座の人の振る舞い地位が上であっても、礼儀として自ら末座に下りて丁寧な挨拶を行う
挨拶の段取り一通りの礼儀を終えた後、元の所作・位置に戻る
礼儀の本質「形式」だけではなく「気持ち」こそが礼の本質であり、相手を敬う誠が行動に現れるべきである

三、現代的解釈とビジネスへの応用

✅リーダーや上司の在り方として

シーン応用の仕方
来客時(社長室など)地位や肩書に関係なく、自ら立ち上がり、相手に敬意を示して迎えることで信頼を得る
社内の対話新人や部下に対しても、一人の人間として対等に接する姿勢が、組織の文化を育てる
社外対応商談などで、挨拶の「段取り」をわきまえ、先に礼を尽くすことが交渉の鍵になる
礼儀教育「挨拶の作法」は、振る舞いを通して心を伝えるものとして、マナー研修に活用可能

四、まとめ:心得としての一文

「上に立つほどに、礼を下に尽くすべし。末座に下る一礼に、心の高さが現れる」

この一節が示すのは、本当の意味での“高貴”さとは、形式や座次にあるのではなく、心からの謙虚さと礼にあるということです。
そして、その心を、しっかりと行動に移すことができて初めて、礼儀が生きるのです。


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