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成功にも失敗にも揺るがず、平等心で行動せよ


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■原文(日本語訳)

第2章 第48節
クリシュナは言った。
「アルジュナよ、執着を捨て、成功と不成功を平等のものと見て、ヨーガに立脚して諸々の行為をせよ。
ヨーガは平等の境地であると言われる。」


■逐語訳

  • サンガム・テャクトヴァ(執着を捨て):結果への欲望や恐れ、こだわりを手放す。
  • シッディ・アシッディオー・サマオー・ブートヴァー(成功と不成功を同一と見て):結果に善悪や上下をつけず平静に受け止める。
  • サマトヴァム・ヨーガ・ウチヤテ(平等の境地がヨーガと呼ばれる):物事に対する平等な心こそが、真のヨーガ(霊的実践)である。

■用語解説

  • ヨーガ(Yoga):ここでは「霊的修練」「自己と行為の調和の境地」。単なる体操や瞑想に留まらない、内面の在り方を示す。
  • 執着(サンガ):成果への執着、願望、拒絶心など、心を揺らすあらゆる感情。
  • 成功・不成功(シッディ・アシッディ):勝ち負け、得失、称賛・非難などの相対的な評価。
  • サマトヴァ(平等性):どんな状況にも偏らず、動じない心。中庸、均衡、心の自由。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、行為の結果に執着することなく、成功にも失敗にも心を揺らさない態度で行動するよう教えます。
それこそが「ヨーガ」であり、**平等な心の状態(サマトヴァ)**にこそ真の智慧がある、と説いています。


■解釈と現代的意義

この節は、「感情に左右されない自己管理」「精神の安定」が人生の実践において重要であると説きます。

現代社会では、成功すれば舞い上がり、失敗すれば落ち込むという感情の波に翻弄されがちですが、
ギーターはその浮き沈みを超えた、**「平静なる力」**の価値を教えてくれます。

行為に集中しつつも、心は自由であること――それが真の成熟です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
感情マネジメント成果に一喜一憂せず、冷静さを保つことがプロフェッショナルの証。
精神的レジリエンス成功しても奢らず、失敗してもくじけない態度が、継続的成果につながる。
リーダーの器量公平で平等な心を保つリーダーは、部下からの信頼も厚く、組織の安定を支える。
行動の継続性評価に左右されず、「やるべきことを淡々と続ける」姿勢が、大局的に見て成功へと導く。

■心得まとめ

「揺るがぬ心が、揺れる世界を導く」
成功を追って舞い上がることも、
失敗を恐れて立ち止まることも、
いずれも“執着”のあらわれ。

ギーターは語る:
「結果にとらわれず、平静な心で行動する」
その中にこそ、自由があり、力がある。


次の第49節では、結果に執着する「低劣な行為」と、執着なき智慧の行為との差が、さらに明確に語られます。

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