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華やかな言葉に惑わされず、本質を見よ


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■原文(日本語訳)

第2章 第42節
クリシュナは言った。
「愚者たちはヴェーダ聖典の言葉に喜び、
他に何もないと説き、華々しい言葉を語る。」


■逐語訳

  • ヤーム・イマーム・プシュピターーム・ヴァーチャム(この花のような言葉を):華やかで耳に心地よい表現。
  • プラヴァダンティ・アヴィパシュチタハ(知識なき者たちは語る):真理を理解しない愚者が唱える。
  • ヴェーダ・ヴァーダ・ラター・パーラー(ヴェーダの言葉に執着する者たち):聖典の儀礼的言葉に陶酔する者たち。
  • ナーニャド・アスティ・イティ・ヴァーディナハ(他には何もないと説く者たち):形式以外に真理はないと信じる姿勢。

■用語解説

  • ヴェーダ(Veda):古代インドの聖典。リグ・ヴェーダなど。主に儀礼・祈祷・祭式に関する教えを含む。
  • プシュピター・ヴァーチャ(花飾りのような言葉):美辞麗句で飾られた、耳障りの良いが本質を欠く表現。
  • アヴィパシュチタ(無智な者):真の知識を持たず、外面的な言葉や儀礼にとらわれている人。
  • ナ・アニャット・アスティ(他に何もない):形式こそがすべてだと誤信する見解。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、真理を知らない者たちが、ヴェーダ(聖典)の華やかな言葉にとらわれ、
それこそがすべてであり、他に真理はないと説いていると批判します。

これは、儀式や外面的な宗教形式に執着して、本質を見失う愚かさを非難しているのです。


■解釈と現代的意義

この節は、「形式や美辞麗句ではなく、本質を見るべきだ」という核心を語ります。
多くの人は、耳触りの良い理想論や、権威ある“ことば”に引き寄せられますが、
そこに真の意味や行動が伴っていなければ空虚に過ぎないという教訓です。

現代社会でも、「肩書き」「流行語」「権威的ワード」などに惑わされることは少なくありません。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
本質志向 vs 形式志向マニュアル通りや形式にこだわるあまり、現場の実態や目的を見失うことがある。本質を問う習慣を持つべき。
プレゼンや提案の評価美しいスライドや響きの良い言葉に惑わされず、提案の中身と実行力を見抜く判断力が求められる。
リーダーの見極めカリスマ的な話術よりも、「日々の行動」「一貫性」こそが信頼すべき指標。
新しい知識への態度権威的な知識だけでなく、現場の声・実践からの学びに耳を傾ける柔軟性が、真の成長をもたらす。

■心得まとめ

「光り輝く言葉に惑うな、本質は静かに語られる」
外側を飾る美辞麗句ではなく、
“行動”と“真理”こそが、人生と仕事の指針である。

バガヴァッド・ギーターは警告する――
「無知なる者は、響きの良い言葉を真理と誤解する。
だが、目覚めた知性は、そこに惑わされない」


次の第43節では、さらにこのような“言葉に酔いしれる者たち”が、いかに現世の利益や快楽に心を奪われているかが語られます。

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