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見えずとも、魂は在る。嘆くことなかれ


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■原文(日本語訳)

第2章 第25節
クリシュナは言った。
「彼(魂)は顕現せず(認識されず)、不可思議で、不変異であると説かれる。
それ故、彼をこのように知って、あなたは嘆くべきではない。」


■逐語訳

  • 彼は顕現せず(アヴィヤクタハ):五感や認識手段によって知覚されない。目には見えず、形もない。
  • 不可思議(アチンティヤハ):思考によって理解しきれない。理性や論理を超えた存在。
  • 不変異(アヴィカリヤハ):変化せず、状態に揺らぎがない。
  • そのように知って(エヴァム・ヴィットヴァー):魂の本質をその通りに理解して。
  • 嘆くべきではない(ナ・アヌショーチィトゥム・アルハシ):悲しみや執着にとらわれる必要はない。

■用語解説

  • アヴィヤクタ(無顕現):物質的感覚器では捉えられない、見えない本質。
  • アチンティヤ(不可思議):理論や言葉では尽くしきれない存在。悟り・直観を通じてしか知り得ないもの。
  • アヴィカリヤ(不変異):どんな条件下でも変化しない“絶対的なもの”。
  • アヌショーチィ(嘆く):失う・壊れる・変わるといったことへの悲嘆。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは言います。「魂は目に見えず、思考で測ることもできず、決して変わらない。
それを本当に理解しているならば、嘆いたり悩んだりする必要はないのだ」と。
魂は物質とは異なり、不可視・不可思議・不変という霊的な本質を持つ存在である。


■解釈と現代的意義

この節は、「魂が見えないからといって存在しないのではない」という、深い形而上学的真理を説いています。
現代社会は“見えるもの”“数値化できるもの”に価値を置きがちですが、人生で最も大切なもの――
たとえば信頼・愛・志・誠実さといったものは、いずれも「見えないけれど確かに存在する」ものです。

魂もまたその一つであり、それを理解すれば、「目に見える変化」に一喜一憂しすぎずに生きられるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
見えない価値の尊重数字や評価だけでなく、理念や信頼といった“不可視の資産”を大切にする組織文化の構築。
静かなリーダーシップ結果がすぐに現れなくても、芯ある行動を貫く。「見えなくても確かに意味がある」と知る強さ。
変化への冷静な対応不可視・不変のものに価値を置くことで、変動する環境や情勢に感情を乱されず、持続的な判断が可能になる。
信念に基づく戦略計測できないが信じるに足る価値(使命・思想)を軸に据えて意思決定することで、長期的に強固なブランドが築かれる。

■心得まとめ

「見えず、測れずとも、魂は在り、変わらず、生きる力の核である」
私たちは、見えないものを軽視し、数字にばかり価値を求めがちです。
しかし、本当に大切なものは、目に見えずとも変わらずにそこにあります。
見えないものを信じる智慧が、心を安らかにし、行動に力を与えるのです。


次の第26節では、仮に魂が不滅でないと仮定したとしても、なお嘆くべきでないという論理が展開されます。

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