目次
■引用原文(日本語訳)
「サンジャヤは語った。
『私はこのように、ヴァースデーヴァと偉大なアルジュナとの、稀有の総毛立つ対話を聞いた。』」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第74節)
■逐語訳
- サンジャヤは言った(サンジャヤ・ウヴァーチャ)、
- 「私は、このように(イティ)、
- ヴァースデーヴァ(=クリシュナ)と、
- マハートマ・アルジュナ(偉大なるアルジュナ)との、
- 極めて稀で(サムバーダム・アドブタム)、
- 毛が逆立つほどの驚嘆すべき対話(ハルシタム・ローマハルシャナム)を聞きました。」
■用語解説
- ヴァースデーヴァ:神クリシュナの別名。神性と人間性の調和者。
- マハートマ(偉大な魂)アルジュナ:戦士でありながら、霊的成長を遂げた探求者。
- 稀有(アドブタム):非常にまれで貴重なこと。
- ローマハルシャナム(総毛立つ):魂が震えるような感動・畏怖を伴う体験。
■全体の現代語訳(まとめ)
「私は、クリシュナとアルジュナの間で交わされた、魂を震わせるような、非常に稀で驚くべき対話を聞いたのです。」
■解釈と現代的意義
この節は、語り手サンジャヤによる証言と感動の表現です。
『ギーター』という聖なる対話を、ただの議論や教訓としてではなく、魂を震わせる生きた言葉として体験したことが語られます。
これは、「本質的な会話とは人を変える力を持つ」ということを象徴しています。
真に意味ある言葉は、理屈を超えて、心の奥深くに響き、震わせ、目覚めさせるのです。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 実務での適用例 |
---|---|
リーダーの言葉の力 | 心から発せられた言葉や使命感に基づいたメッセージは、人の魂を動かす。 |
会話の質 | 「情報の伝達」ではなく、「人を変える会話」を意識する。深い問いや共鳴は、行動を生む。 |
感動の共有 | 本質的な気づきを得たときは、それを言葉にして共有することで、組織文化を育む。 |
顧客との対話 | 単なるセールストークではなく、「相手の人生に残る対話」を目指す姿勢が、信頼を築く。 |
■心得まとめ
「深い対話は、人の心を揺るがす力を持つ」
ただ情報を聞くだけでなく、
**「魂を揺さぶられる体験」**こそが、真の学びの証。
サンジャヤはそれを受け取った――
そして、私たちにそれを伝えてくれた。
次節(第75節)では、サンジャヤがその聖なる対話をどのように聞くことができたのか、その背景=神的な恩寵について語られます。
コメント