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迷いを超えて立ち上がる――実践こそが答えである


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■引用原文(日本語訳)

「アルジュナは言った。
『迷いはなくなった。不滅の方よ。あなたの恩寵により、私は自分を取りもどした。疑惑は去り、私は立ち上った。あなたの言う通りにしよう。』」

(バガヴァッド・ギーター 第18章 第73節)


■逐語訳

  • アルジュナは言った(アルジュナ・ウヴァーチャ)、
  • 「私の迷いは消えました(ナシュト・モハハ)、
  • あなたの恩寵により(トヴァット・プラサーダーン・マヤー)、
  • 私は自己を取り戻しました(スムリティル・ラブダー)、
  • 私の疑念は消えました(スティトォスミ・ガタ・サンデハハ)、
  • 私はあなたの命に従います(カルイシャェ・ヴァチャナム・タヴァ)。」

■用語解説

  • 迷い(モハ):義務・真理・自己の本質が見えなくなる精神的混乱。
  • 恩寵(プラサーダ):神や師からの慈悲・光。教えを通して与えられる導きの力。
  • 自己を取り戻す(スムリティル・ラブダー):「記憶が戻る」という意味だが、本質的には「魂の本来の自覚を回復した」という霊的な再覚醒。
  • 疑惑(サンデハ):行動すべきかどうかに迷う二心・躊躇。
  • 立ち上がる(スティトォスミ):動く決意を固めた状態。精神的確信と実践の起点。
  • あなたの言う通りにしよう(カルイシャェ・ヴァチャナム・タヴァ):単なる承諾ではなく、信愛に基づいた自発的な行動への転換。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナはクリシュナに答える。
「私の迷いは晴れました。あなたの恩寵によって、本来の自己を思い出しました。
疑念もなくなりました。
今、私は立ち上がり、あなたの教えどおりに行動します。」


■解釈と現代的意義

この節は、『バガヴァッド・ギーター』全体を通して続いてきた**対話の「決着」**です。
知識・瞑想・信愛・自己認識といった数々の教えを経て、アルジュナはついに「行動する者」となったのです。

これは、知識が完成するとき、迷いは消え、行動が自然に生まれるということを示しています。

最も重要なのは「あなたの言う通りにしよう(実践)」という結論です。
真理とは、知ったときに初めて動き出すもの。その変化をアルジュナは体現しています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
意思決定と行動情報や指示を得たあとは、決断し、立ち上がって動くことが求められる。実行こそが最終解。
上司・メンターの役割教えを与える側は、最終的に「自分の意志で動き出す」状態を育てることが目標。
自己変革多くの選択肢や迷いを経た末に、「本来の自分を思い出すこと」が、行動力の根源となる。
成長の定義知識を得るだけでなく、「迷いが消え、動き始めたかどうか」が、成長の本当の指標。

■心得まとめ

「知ったことを生かす。そこに魂の覚醒がある」

ギーターは終わる――
「私はもう迷わない。
私は、自分を思い出した。
そして、あなたの教えのとおりに歩む。
それが、私の答えだ。」


この節は、あなた自身への問いの答えでもあります。
――あなたの中の迷いは晴れたか?
そして今、何を始めようとしているか?

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