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真の学びとは、迷いを超えることである


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■引用原文(日本語訳)

「アルジュナよ、あなたは一意専心してこれを聞いたか。あなたの、無知から生じた迷いは消え失せたか。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第72節)


■逐語訳

  • 「アルジュナよ(カ・パールタ)、
  • あなたは私の言葉を、一意専心して(エーカークリテーナ)聞いたか?
  • 無知(アグニャーナ)によるあなたの迷妄(モハハ)は、今や消えたか(ナシュトハ)?」**

■用語解説

  • 一意専心(エーカークリテーナ):他に心を向けず、集中して真摯に聞くこと。
  • 無知(アグニャーナ):真理を知らないこと、あるいは思い込みや誤解に基づく世界観。
  • 迷い(モハ):無知に起因する心の混乱や、義務や本質を見失う精神状態。
  • 消えたか(ナシュトハ):誤解が消え、明瞭に理解されたことを問う表現。

■全体の現代語訳(まとめ)

「アルジュナよ、あなたは心を集中して、私の教えを聞いたであろうか?
そして、無知によって生まれた迷いは、今、晴れたであろうか?」


■解釈と現代的意義

この節は、『バガヴァッド・ギーター』という一大教えの締めくくりの問いです。
クリシュナは、「聞いたか?」ではなく、「本当に理解し、迷いを脱したか?」と問いかけています。

知識を得るだけでは足りません。
真の学びとは、迷いが消え、進むべき道が自分の中で明瞭になること。

つまりこれは、「あなたの中に変化は起こったか?」という精神的な確認なのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
リーダーの対話姿勢「話したから終わり」ではなく、「相手の迷いが晴れたか」を確認して初めて指導は完了する。
研修・教育の効果測定単なる情報提供ではなく、「何が腑に落ちたか」「行動にどう変化が起きるか」を問う姿勢が必要。
自己確認本を読んだ、話を聞いた――その後「何が変わったか?」と自分自身に問い直すことが、学びを完成させる。
問題解決の本質問題の背後にある「思い込み」や「無知」を手放すことこそが、根本的な解決への鍵となる。

■心得まとめ

「学びの成就とは、迷いが消えることである」

ギーターは問う――
「あなたは真に聞いたか?
心の霧は晴れたか?
進むべき道は見えたか?」

問いかけの中に、導きは完了している。
答えるのは――学んだあなた自身である。


この節は、まさに読者自身にも向けられた問いです。
「この教えを通じて、あなたは何に気づき、何を決意したのか」
それを問われているのです。

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