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聞くことすらも、心を浄化する行為となる


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■引用原文(日本語訳)

「信仰を抱き、妬み(不満)なく、それを聞くだけの人も、〔罪悪から〕解放されて、善行の人々の清浄な世界に達するであろう。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第71節)


■逐語訳

  • 「信仰(シュラッダー)をもって(ヤハ・シュラッダーウァーン)、
  • 妬まずに(アナスーヤハ)この教えを聞く人(シュリンノティ)、
  • その者もまた(サ・アピ)、
  • あらゆる罪から解放され(パーパート・ムクタハ)、
  • 徳ある者たちの清浄な世界に至るであろう(プニヤ・クリティーム・ローカム・プラープノーティ)。」

■用語解説

  • 信仰(シュラッダー):知識や真理に対する敬意・誠意・受容の姿勢。
  • 妬み(アスーヤー):教えに対する疑念や敵意、あるいは比較や不満からくる否定的態度。
  • 聞く(シュリンノティ):受け身であっても、教えに耳を傾け、敬意を持って受容すること。
  • 善行の人々の世界(プニヤ・クリティーム・ローカ):徳高い魂が到達する清浄な境地。精神的に昇華された次元。

■全体の現代語訳(まとめ)

「信仰を持ち、妬みや批判の心なく、ただ耳を傾ける者でさえも、
あらゆる罪から解放され、徳ある者の浄らかな世界へと至るであろう。」


■解釈と現代的意義

この節は、「学びの姿勢」そのものが、すでに魂の浄化であることを説いています。

特別な行為をしなくとも、
心を開いて真理を聞くこと――
それが、解脱への第一歩であり、実は最高に尊い行為でもあるのです。

つまり「読むこと」「聞くこと」「学ぶこと」だけでも、真の信仰があれば、その人は既に聖なる道に立っているのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
傾聴の姿勢会議や対話で、反論や妬みでなく、まず「信頼して聞く」ことが、真の理解と信頼関係を生む。
新人・後進の学び最初は「実行者」でなくても、謙虚に話を聞く人は、学びの土台を築いている。耳を傾ける姿勢に価値がある。
成長の起点「知らないから話を聞く」という心が、成長の出発点である。反発や否定からは進化は生まれない。
理念の浸透企業理念やビジョンに対し、「どうせ」「またか」と妬まず、敬意を持って耳を傾けることで、文化の醸成が進む。

■心得まとめ

「聞くことに敬意を込めよ。それが第一の奉仕である」

ギーターは語る――
「信仰と敬意をもって、
この教えに耳を傾ける者は、
それだけで罪を離れ、
徳の道に導かれる。
聞くとは、すでに浄化の行為なのだ。」


この節は、実践ができなくても、まず「敬意を持って耳を傾けること」の価値を説いています。
つまり、心の構えがすべての出発点であり、それが道を開く力を持つ――それがギーターの教えです。

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