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全身全霊をゆだねたとき、真の平安が訪れる


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■引用原文(日本語訳)

「全身全霊で彼にのみ庇護を求めよ。アルジュナよ。彼の恩寵により、あなたは最高の寂静、永遠の境地に達するであろう。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第62節)


■逐語訳

  • アルジュナよ、
  • あなたは全身全霊(サルヴァ・バーヴェーナ)で
  • ただ彼(神)だけを頼り(シャラナム・ヴラジャ)にしなさい。
  • その結果、彼の恩寵(プラサーダ)によって、
  • あなたは究極の平安(シャーンティ)と、永遠の境地(シャーシュヴァタム・スターナム)に到達するであろう。

■用語解説

  • 全身全霊(サルヴァバーヴァ):感情・知性・意志のすべてを込めて。部分的ではない全面的な信託。
  • 庇護を求めよ(シャラナム・ヴラジャ):神に帰依し、その意志と守護に身を任せること。
  • 恩寵(プラサーダ):神の慈しみ。努力では得られない、無条件の恵み。
  • 寂静(シャーンティ):騒がしさや欲望を超えた、深い精神的な安らぎ。
  • 永遠の境地(シャーシュヴァタム・スターナム):輪廻を超えた不変の霊的存在の状態。ブラフマンとの合一。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナはアルジュナに告げる:
「お前が自我を捨て、全存在をもって私に帰依するならば、私の恩寵により、お前は究極の安らぎと、永遠の自由の境地に至るであろう。」


■解釈と現代的意義

この節は、**「完全なる帰依こそが、真の自由と安らぎの源である」**という、ギーターの核心のひとつを語っています。

人間は「自分の力で何とかしよう」としがちですが、
ギーターは明確に言います――
自分を超えた存在に、全身全霊を委ねる時にこそ、迷いも恐れも消え、永遠の平安が訪れる。

この「庇護を求めよ」という言葉は、逃避ではありません。
むしろ、「信じて歩む」ための覚悟と謙虚さを意味します。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
信頼と任せる力自分一人で問題を抱え込まず、上司や仲間、理念やミッションに「全身全霊で委ねる」ことで、新たな道が見えることがある。
リーダーシップ「すべてをコントロールする」から脱却し、組織や流れに信頼をおく姿勢が、チームに安定感と方向性をもたらす。
ビジョンの拠り所困難なとき、自分の理想や会社の理念を信じて進むことで、迷いを越え、平静な心で判断を下すことができる。
ストレスマネジメント「どうにもならないことは任せる」と切り替えることで、過剰なプレッシャーから自分を守り、心を落ち着かせる。

■心得まとめ

「ゆだねる強さが、永遠の平安を呼び込む」

ギーターは語る――
「全身全霊をもって、神(理念)にゆだねよ。
その信託が、恐れと混乱からお前を救い、
永遠の静けさへと導くだろう。」


次の第63節では、クリシュナがこの教えをすべて語り終え、
「これらをよく熟考して、行動を選びなさい」と、
アルジュナ自身の選択に委ねる場面へと進みます。

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