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本性に抗えば苦しみ、本性に従えば道が開ける


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■引用原文(日本語訳)

「アルジュナよ、あなたは本性から生ずる自己の行為に縛られている。あなたが迷妄の故に、その行為を行おうと望まないでも、否応なくそれを行うであろう。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第60節)


■逐語訳

  • アルジュナよ、
  • あなたは自らの本性(スヴァバーヴァ)に由来する行為によって縛られている。
  • あなたが迷妄(アヴィッジャー)によって
  • 「やりたくない」と思っても、
  • 結局は否応なく(アヴァシャハ)それを実行するであろう。

■用語解説

  • 本性(スヴァバーヴァ):個人が生まれながらに持つ傾向性・資質・使命。
  • 縛られている(ニヤミタハ):因果法則・本性によって制約を受けている状態。
  • 迷妄(モーハ):真理を見失い、感情や誤解に支配された状態。
  • 否応なく(アヴァシャハ):自分の意志とは関係なく、外的・内的な力によって行動が引き出される様子。

■全体の現代語訳(まとめ)

「あなたは、生まれ持った本性によって、やるべき行為に結びつけられている。
仮に混乱や迷いから“やりたくない”と思っても、結局は避けがたく、それをやることになるだろう。」


■解釈と現代的意義

この節は、「本性=使命」は、選択の対象ではなく、すでに内にある導きであるという思想を示しています。

「やるべきではない」と理屈で否定しても、
「自分がそれをするべき人間である」と魂が知っていることは、
結局のところ引き受けざるを得ないのです。

それに抗えば苦悩が生まれ、
受け入れれば流れに乗るように、自然と道が拓けていきます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
天職への抵抗自分に合った仕事・役割を周囲から与えられていても、自信や恐れから逃げると苦しむ。本性に従えば開花する。
変化や挑戦への抵抗成長すべきタイミングでの変化に抵抗しても、状況が後押しして挑戦せざるを得なくなる。
リーダーシップの受容自分に向いていないと思っても、周囲が期待し、自分もその器を備えている場合、自然と導かれてその立場になる。
意思と自然のズレ論理でコントロールしようとするよりも、「自分はどんな時に自然に動いてしまうか」を観察することで、本性が見えてくる。

■心得まとめ

「心が拒んでも、魂がそれを選んでいる」

ギーターは静かに告げる――
「避けようとするほど、
運命はお前をそこへ導く。
それは外からの強制ではなく、
内からの呼び声である。」


この節は、自由意志と宿命の接点を明らかにします。
続く第61節では、この本性の背後で働く「主(神)」が語られ、
さらに深い洞察が続きます。ご希望があれば引き続きご案内いたします。

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