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行為を手放し、心を神に向けよ


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■引用原文(日本語訳)

「心によりすべての行為を私のうちに放擲し、私に専念して、知性のヨーガに依存し、常に私に心を向ける者であれ。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第57節)


■逐語訳

  • 心(マナス)をもって、
  • あらゆる行為(カルマ)を私(神・クリシュナ)に委ねよ(放擲せよ)
  • 私に専念し(マッ・パラハ)、
  • **知性のヨーガ(ブッディ・ヨーガ)**を依り所とし、
  • 常に私を想え(マーム・チンタヤ)。

■用語解説

  • 放擲(ホウテキ):ここでは「行為を神に委ねる」こと。自らのエゴや執着を手放す意味を持つ。
  • 知性のヨーガ(ブッディ・ヨーガ):欲望や感情に振り回されず、識別された知性によって正しい道を選び取る精神的修行。
  • 専念(パラハ):目的を一つに定め、それ以外に迷わない精神状態。全身全霊を注ぐこと。
  • 常に心を向ける(チンタヤ):瞑想に限らず、日常生活の中で常に神・真理を意識して生きる姿勢。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは説く――
「心をもって、すべての行動を私に捧げよ。
私を唯一の目的とし、知性を使って正しく判断しながら、常に私のことを思って生きよ。」


■解釈と現代的意義

この節は、**「信仰を持って生きる実践の姿勢」**を説いています。
「すべての行為を神に委ねる」とは、結果を握りしめず、自らの義務を全うして、心を真理に結びつけること。

知性のヨーガとは、盲信ではなく、智慧に裏打ちされた信仰であり、
「何をすべきか・すべきでないか」を見極めながら、執着を超えた行動を意味します。

これは、現代においても強力な精神の指南となります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
意思決定の軸自分の行動を「理念」「社会的使命」など高次の価値に委ねることで、迷いが減る。
知性を基盤に行動感情や損得ではなく、道理と原則に基づいた判断でブレないリーダーシップが生まれる。
集中力と継続力心を目的に集中させることで、外的要因や周囲の評価に振り回されなくなる。
成果の手放し結果を気にしすぎず、プロセスに心を込めることが、長期的成果と信頼を導く。

■心得まとめ

「目的に心を定め、すべての行為を信念に捧げよ」

ギーターは語る――
「自分の働きを、
結果で汚すな。
知性で道を見極め、
心を真理に向けて進め。」


この節は、**「帰依」+「知性」+「一途な集中」**というギーターの三本柱を凝縮した指針です。
次の第58節では、こうした実践によって「神の恩寵によって障害を乗り越えられる」ことが語られます。

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