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清き知性にて、感覚と欲望を離る


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■引用原文(日本語訳)

「清浄な知性をそなえ、堅固さにより自己を制御し、音声などの感官の対象を捨て、また愛憎を捨て、」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第51節)


■逐語訳

  • 清浄な知性(サットヴァ・ブッディ)を備え、
  • 堅固な決意(ドリティ)によって自己を制御し、
  • 音声・形象・味覚・香りなど感官の対象を放棄し、
  • 愛憎という感情の二極を超えていく。

■用語解説

  • 清浄な知性(純質の知性):偏見や欲望に曇らされない、純粋な判断力。
  • 堅固さ(ドリティ):意思の強さ、継続的な自制力、誘惑や苦難に揺るがない精神。
  • 感官の対象:五感によって知覚される対象(音・形・香・味・触)
  • 愛憎(ラーガ・ドヴェーシャ):好き嫌い、欲望と嫌悪。心の執着の源。

■全体の現代語訳(まとめ)

真理に至る人は、まず清らかな知性を育て、自己の感情や衝動を抑えられる強い意志を持つ。
そして、音や味など感官的な欲望から離れ、さらに「好き/嫌い」といった二元的な感情にもとらわれない
このようにして、心は静まり、悟りへと向かう。


■解釈と現代的意義

この節では、ブラフマン(絶対的実在)に至る人の内面的な条件が明示されます。

単に知識や修行を積んだだけでは不十分であり、
感覚の刺激に心を奪われない強さ、そして感情の反応(愛憎)に巻き込まれないバランス感覚が求められます。

現代のように情報や刺激が過多な社会において、
このような内的静寂・自制・情緒の超越は、精神的成熟と安定の基盤となります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
知性の純化利益・損失・欲望に左右されない冷静な判断を重視する。
自己コントロールプレッシャーや感情の高ぶりに負けず、落ち着いて対応できる人が信頼される。
感覚刺激との距離メディア・情報・SNSなどの刺激から距離を取り、集中力を維持する。
好き嫌いを超える判断感情ではなく、原理原則・理念・倫理に基づいて決断を下すことが重要。

■心得まとめ

「五感と感情に流されるな。知性と意思の力で、内なる静けさを築け。」

ギーターは語る――
真理へ至るには、
欲望に反応する心を静め、
好き嫌いを超え、
清き知性で歩む者であれ。

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