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己の務めを捧げることが、最高の信仰となる


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■引用原文(日本語訳)

「彼から万物の活動があり、彼によってこの全世界が遍く満たされている者、
彼を自己の行為により崇拝して、人は成就を見出す。」

(バガヴァッド・ギーター 第18章 第46節)


■逐語訳

  • 万物の活動は、彼(神・至高の存在)から生じる
  • この世界は、彼によって遍く満たされている
  • その至高者を、自分自身の行為(スヴァカルマ)をもって崇拝するならば
  • 人は精神的成就(シッディ)を得ることができる。

■用語解説

  • 彼(タム):宇宙の根源であり、すべてを創造・維持・浸透する「ブラフマン(至高実在)」または「神(イーシュヴァラ)」。
  • 自己の行為(スヴァカルマ):個人の性質(スヴァバーヴァ)に応じて定められた本分・務め。
  • 崇拝(アラーディヤ):単なる儀礼ではなく、「奉仕・行為・献身」を通しての信仰的実践。
  • 成就(シッディ):精神的完成、神との一致、魂の目的の達成。

■全体の現代語訳(まとめ)

万物を動かし、満たしている神を――
自らに与えられた仕事・役割を通して崇拝することが、
最高の精神的完成につながる道である。

つまり、自分の務めを誠実に果たすことは、
そのまま神聖な行為であり、信仰の実践でもある
とギーターは説いている。


■解釈と現代的意義

この節は、日常の仕事や社会的な責任を、
単なる「義務」ではなく、神への奉仕として行う姿勢を説いています。

私たちがそれぞれの場所で誠実に働くこと――
それが「祈り」となり、「修行」となり、
そして魂の完成につながるという深い精神哲学が表現されています。

これは、信仰と実践、精神と現実の融合を示す、ギーターの核心的思想のひとつです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
仕事への姿勢どんな業務であっても、「社会と世界に貢献する手段」として行えば、仕事は神聖な意味を持つ。
志と誇り自分の役割を「神への奉仕」と見れば、そこに尊厳と責任が生まれる。単純作業であっても意義が深まる。
信仰と実務の統合信仰を職場に持ち込む必要はないが、「誠実に働く」ことそのものが信仰になるという視点は、現代人にも有効。
モチベーションの源泉報酬や評価だけでなく、「これは神(または社会)への貢献だ」という信念が、困難を乗り越える力になる。

■心得まとめ

「働くことが祈りとなる。
日々の務めが、そのまま魂の道となる。」

ギーターは教えてくれる。
ただ神殿で祈るのではなく、
自分の手を使って、足元の務めを果たすこと――
そこにこそ、神に至る道がある。


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