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幸福は習慣の中に築かれ、苦を越えて現れる


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■引用原文(日本語訳)

「ところで、今度は、私から三種の幸福について聞け。バラタの雄牛よ。人が常修によりそこで楽しみ、苦の終熄に至り、」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第36節)


■逐語訳

「さて今、私(クリシュナ)から、
三種類の幸福(スカ)について聞きなさい。
バラタ族の偉大なる者(アルジュナ)よ、
人が日々の修練(常修)によって味わう喜びがあり、
それはやがて**苦しみの終息(苦の熄滅)**へと導く。」


■用語解説

  • 三種の幸福(スカ):自然の三属性(サットヴァ=純質、ラジャス=激質、タマス=暗質)に応じて分類される幸福の性質。
  • 常修(アビヤーサ):繰り返しの実践、継続する努力や習慣。ここではヨーガ的実践や自己制御の習慣を指す。
  • 苦の終熄(ドゥッカ・アント):苦しみが消え、安らぎが訪れる状態。精神的な解脱・自由に至ること。
  • バラタの雄牛(バラタルシャバ):アルジュナを称える言葉。「バラタ族(勇士の血統)の中でも最も優れた者」の意。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、アルジュナに向かって、
幸福にも三種類があり、
それは人の習慣・性質・意志の質によって異なることを説き始める。
中でも、継続的な努力や鍛錬(常修)を通して得られる幸福は、
最終的に人を苦から解放し、真の安らぎへと導くものである。
それが**サットヴァ的な幸福(純質の喜び)**の第一の特徴である。


■解釈と現代的意義

この節は、「幸福とは選択の結果であり、訓練の果実である」という思想を端的に示します。
短期的な快楽ではなく、継続する善き習慣(常修)が人生の深い幸福をもたらすと説いています。
この視点は、現代におけるマインドフルネス・習慣形成・自己成長の本質
とも共鳴します。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
習慣の力日々の自己改善・読書・内省・振り返りなどのルーティンが、長期的な成長と安定をもたらす。
内的報酬の重視外的な評価や報酬ではなく、自らの進歩や納得感に喜びを見出す姿勢。
継続と成果成功は突発的な成果ではなく、「地道な習慣」の積み重ねから生まれる。
ウェルビーイング経営ストレス軽減やメンタルの安定を重視し、持続可能な幸福を組織文化にする。

■心得まとめ

「快楽よりも、修練が真の幸福を連れてくる」
継続的な努力を通じて得られる喜びこそが、
一時的な快楽では届かない深い安定と自由を与える。
ギーターは、「幸せになる」よりも「幸せを鍛える」ことを教えている。
真の幸福は、苦しみを乗り越えたその先にある。

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