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すべての中に一を見よ──統一を貫く智慧


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■引用原文(日本語訳)

「人がその知識により、万物の中に唯一不変の状態を認め、区別されたものの中に区別されないものを認める時、それを純質的な知識と知れ。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第20節)


■逐語訳

もし人が、あらゆる存在(多様なもの)の中に、
一つの不変なる実在(アヴィナシ)を見出し、
多くに見えるものの中に、実は変わらぬ一つの本質が宿っていると理解するならば、
そのような認識はサットヴァ(純質)に基づく知識
であると知るべきである。


■用語解説

  • 唯一不変の状態:すべての背後にある普遍の原理・自己(アートマン)・真理。変化しない本質。
  • 区別されたものの中の区別されないもの:現象的には違って見える多様な存在(人間・物質・思想など)の奥にある、共通した存在の本質。
  • 純質的な知識(サットヴァ・ジュニャーナ):清らかで調和に満ちた智慧。分裂ではなく統一へと向かう認識。

■全体の現代語訳(まとめ)

人がこの世界の多様なものの中に、
**ひとつの共通した本質(真理・原理・魂)**が宿っていると見抜くことができるとき、
そのような認識は、純粋で高い智慧(サットヴァ)によるものである。
外見の違いではなく、根源のつながりを見て判断する力である。


■解釈と現代的意義

この節は、分断や対立を乗り越え、「違いの奥にある本質的な一体性」を見抜く知性の重要性を説いています。
見た目、肩書き、役職、文化などの違いを超えて、共に生きる存在としての共通性を感じられる人が持つのが、サットヴァ的知識です。
これは現代でいえば、包括的視点、全体最適、システム思考とも結びつきます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での例
組織運営部門や役職の違いを越えて、「我々は同じ目的のために働いている」と理解できるリーダーは、組織を調和に導く。
人間関係外見や立場にとらわれず、すべての人を等しく尊重し、共通する価値を見出せる人は信頼を集める。
経営判断個別利益ではなく全体の持続性・本質的価値を見て判断する視座が、企業を長期的に導く。

■心得まとめ

「違いの奥に、つながりを見よ」
多様性は表層。だがその背後には、一なる本質が流れている。
人・仕事・世界の中に共通の目的と存在価値を見出すことが、真の知性であり、真のリーダーシップである。
『ギーター』は、統合と調和の目で世界を見る知識こそが、純質なる智慧だと説いている。


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