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■引用原文(日本語訳)
第52節:
「聖バガヴァットは告げた。
『あなたが見たこの私の姿は、非常に見られ難いものだ。神々ですら、この姿を常に見たいと望んでいる。』」
■逐語訳(一文ずつ)
- 「あなたが見たこの私の姿は、非常に見られ難いものだ」
→ 神の宇宙的真実の姿(ヴィシュヴァルーパ)は、一般的な修行や知識では到達し難い。 - 「神々ですら、この姿を常に見たいと望んでいる」
→ 天界に生きる神々さえも、この普遍的な真実を完全に目にすることは容易ではない。
■用語解説
- この私の姿:クリシュナが示した「ヴィシュヴァルーパ(宇宙的普遍相)」。創造・維持・破壊をすべて内包する真実の相。
- 非常に見られ難い(ドゥルダルシャム):肉眼でも知識でも簡単には到達できない、霊的恩寵によってのみ体験されうるもの。
- 神々(デーヴァ):自然界や宇宙の原理を司る高位の存在たち。
■全体の現代語訳(まとめ)
クリシュナはアルジュナに対し、「あなたが見たこの私の真の姿は、極めて稀であり、天界の神々でさえ常に憧れるようなものである」と述べる。
それは、ただ知識や行為だけでは到達できず、深い信愛と神からの恩寵があって初めて得られる至高の体験である。
■解釈と現代的意義
この節は、「霊的真理や宇宙の実相は、単なる努力や資格で得られるものではなく、信と心の準備、そして天からの恩寵によって開示される」と教えています。
つまり、真実は「求めれば得られる」ものではなく、「与えられる」ことで初めて明かされる尊いものなのです。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈と適用例 |
---|---|
本質理解の難しさ | ビジネスにおいても、表層的な数字や情報ではなく「本質的な構造や人の心」を理解するには、深い洞察と時間、信頼が必要。 |
見えない力の存在 | 優れたタイミング・縁・人の支援など、自分だけの力では得られないものが成果を導くことがある。 |
チームの信頼と恩寵 | 組織の中で「見せてもらえる真実」は、信頼されて初めて与えられる。信頼関係が築かれていなければ核心は見えない。 |
謙虚さの重要性 | 「見えないものの価値」を知る者は驕らず、日々の仕事に誠実に向き合う。その態度こそが真の果実を呼び寄せる。 |
■ビジネス心得タイトル
「真理は努力でなく、信頼と恩寵の中に現れる」
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