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■原文
アルジュナは言った:
「以前のように、王冠をつけ、棍棒を持ち、円盤を手にしたあなたを見たい。
まさにあの、四つの腕を持つ姿になって下さい。
千の腕を持つ方よ。一切の姿を持つ方よ。」
(第11章 第46節)
■逐語訳(一文ずつ)
- 以前のように、王冠をつけ、棍棒を持ち、円盤を手にしたあなたを見たい。
→ あなたが通常の神としての姿である、王冠をかぶり、棍棒(ガダ)と円盤(チャクラ)を手にした姿を、私は再び見たいのです。 - まさにあの、四つの腕を持つ姿になって下さい。
→ あなたのヴァースデーヴァとしての、四本の腕をもつ神聖な姿に戻っていただけませんか。 - 千の腕を持つ方よ。一切の姿を持つ方よ。
→ あなたはすべての姿を持ち、すべての存在を包含している方であり、千の腕をもって世界を支配されるお方です。
■用語解説
- 王冠・棍棒・円盤:ヴィシュヌ神の象徴。王冠は主権、棍棒は制裁・力、円盤(チャクラ)は法・保護・破壊を意味する。
- 四つの腕:ヴィシュヌの伝統的な姿。神性と力の象徴。
- 千の腕:比喩的に「無限の力」「宇宙的スケールの全能性」を意味する。
- 一切の姿を持つ方:ヴィシュヴァルーパ=宇宙的な全存在の顕現。
■全体の現代語訳(まとめ)
私は、あなたが王冠をつけ、棍棒と円盤を手に持つ、親しみ深い四つの腕の神としての姿をもう一度見たいのです。
あなたは千の腕を持ち、すべての姿を備えた方ですが、どうかその親しみある神の姿を、今私に見せてください。
■解釈と現代的意義
この節は、アルジュナが**「宇宙的・畏怖の対象としての神」から、「親しみある守護者としての神」へと戻ることを強く願う姿**を示しています。
アルジュナは、神の威容を理解した上で、人間として信頼できる関係性の中で行動したいという願望を持ちます。
それは「理解」から「共感」への移行とも言えます。
■ビジネスにおける解釈と適用
- 「圧倒的な権威」ではなく「親しみやすさ」で人は動く
→ 社長やリーダーがいかに力を持っていても、部下が求めるのは「安心して相談できる存在」。 - リーダーの姿は場面によって変えるべし
→ 非常時は断固たる態度、平時は包容力ある姿へと柔軟に姿勢を切り替えることが求められる。 - 部下が求めているのは「親しめるリーダー像」
→ 圧をかけるより、部下が話しかけやすく、方向性に共感できる存在になるべき。
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