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一つの核が、すべてを包含する力を持つ

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■原文

アルジュナは言った。
「あなたはヴァーユ(風神)である。ヤマ(閻魔)である。アグニ(火天)である。ヴァルナ(水天)である。月である。造物主である。曾祖父(梵天)である。
千回あなたに敬礼、敬礼。さらに再び敬礼、敬礼。」
(第11章 第39節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • あなたはヴァーユ(風神)である。
     → あなたは風の神、あらゆる生命に息吹を与える存在である。
  • ヤマ(閻魔)である。
     → あなたは死を司る神、道徳と裁きの支配者である。
  • アグニ(火天)である。
     → あなたは火の神、浄化と変容の力である。
  • ヴァルナ(水天)である。
     → あなたは水と誓約の神、秩序と道徳の守護者である。
  • 月である。
     → あなたは月そのものであり、時間と感情、草木の成長を司る者である。
  • 造物主である。
     → あなたは万物を創造する存在である。
  • 曾祖父(梵天)である。
     → あなたは宇宙創造の源たるブラフマー(Brahmā)である。
  • 千回あなたに敬礼、敬礼。さらに再び敬礼、敬礼。
     → 無限に繰り返しても尽きないほど、あなたに敬意を表し続けます。

■用語解説

  • ヴァーユ(Vāyu):風神。生命エネルギー(プラーナ)を象徴する。
  • ヤマ(Yama):死後の審判を司る神。行為の因果を裁く存在。
  • アグニ(Agni):火の神。供犠を神々へ届ける媒介。
  • ヴァルナ(Varuṇa):水と秩序の神。古代では天則と真理を守る神。
  • 月(チャンドラ):植物・心・周期の象徴。時の経過を測る基準でもある。
  • 造物主:すべてを創造する力。しばしばヴィシュヌやブラフマーと同一視される。
  • 曾祖父(プラピターマハ):最古の創造神・ブラフマーの称号。

■全体の現代語訳(まとめ)

あなたは風神ヴァーユであり、死を司る閻魔であり、浄化の火神アグニであり、秩序を守る水神ヴァルナであり、また月でもあります。
あなたは創造の根源であり、宇宙の始祖である梵天です。
そのようなあなたに、私は千度、いや限りなく、敬意を捧げます。敬礼を重ねます。


■解釈と現代的意義

この節は、あらゆる神格を一者(クリシュナ)に統合的に見るヴィシュヌ信仰の核心を示します。
風、水、火、死、創造など、自然界と倫理秩序を司る多神教的な存在は、すべてクリシュナという存在に包摂されているのです。

アルジュナの言葉は、「遍在性」「絶対性」「根源性」への全面的帰依と畏敬の念の表現であり、神の総合的な象徴に心を委ねる姿勢が見られます。


■ビジネスにおける解釈と適用

  • 一つの理念が、あらゆる機能を包括する。
     → 組織の「理念・ビジョン」は、経営、倫理、革新、人事、顧客接点などの全領域を貫く核となるべきです。
  • 尊敬は単なる感情でなく、「全体を知った上での認識」である。
     → リーダーやブランドが信頼されるには、多面的な価値(知恵、責任、革新、倫理)が統合されていなければならない。
  • 繰り返しの「敬意の表明」は信頼を築く。
     → パートナーシップやチーム運営において、感謝と敬意を形にすることが関係の深度を生む。

■ビジネス心得タイトル


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