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知と存在を貫く原理が、人と組織を支える

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■原文

アルジュナは言った。
「あなたは本初の神*であり、太古のプルシャ*であり、全世界の最高の拠り所である。
あなたは知るものであり、知らるべき対象であり、最高の住処*である。
全世界はあなたにより遍く満たされている。無限の姿を持つ方よ。」
(第11章 第38節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • あなたは本初の神であり、太古のプルシャであり、全世界の最高の拠り所である。
     → あなたは宇宙創造以前から存在する「最初の神」であり、太古の理想的人格「プルシャ」であり、全存在がそこに依る究極の根源である。
  • あなたは知るものであり、知らるべき対象であり、最高の住処である。
     → あなたは知性そのものであり、知識の対象であり、そして最終的にすべてが帰するべき「究極の居場所」である。
  • 全世界はあなたにより遍く満たされている。無限の姿を持つ方よ。
     → あなたはあらゆるところに偏在しており、制限なき多様な姿(ヴィシュワルーパ)を持っている。

■用語解説

  • 本初の神:始原の存在であり、宇宙の発生以前から存在する神。
  • プルシャ(Puruṣa):宇宙原理としての人格存在。サーンキヤ哲学では「霊(意識)」を意味し、ヴェーダ文献では宇宙的犠牲の象徴でもある。
  • 住処(パダム padam):帰依すべき場所、究極的な安らぎや悟りの場所(涅槃や神の元)を示唆。
  • 無限の姿(アナンタ・ルーパ):限界を持たず、あらゆる形で現れる神の宇宙的多様性。

■全体の現代語訳(まとめ)

あなたは宇宙創造以前から存在する、最初の神であり、太古の理想的人格であり、すべての存在の究極的な拠り所です。
あなたは知識そのものであり、学ぶべき対象であり、また私たちが最終的に帰るべき住処です。
この全世界はあなたによって偏在的に満たされており、あなたは無限の姿を持つ方です。


■解釈と現代的意義

この節は、アルジュナがクリシュナをただの神ではなく、知・存在・至福(サット・チット・アーナンダ)そのものとして認識したことを示しています。
神は「創造主」であるだけでなく、「知る主体」「知る対象」「安らぎの場」であるという、極めて哲学的な認識がここに表れています。

これは、ヴェーダンタ哲学における「ブラフマン(絶対存在)」の定義とも合致しており、個我と宇宙原理の一体性を暗示しています。


■ビジネスにおける解釈と適用

  • 「知る力」「知る対象」「帰る場所」をすべて体現する存在は、信頼と尊敬の核となる。
     → ビジネスリーダーが理念、知識、実行力を兼ね備えることで、周囲の人々の支えとなる。
  • 「全体を貫く中心的原理」を意識すると、行動に一貫性と安心感が生まれる。
     → 会社の理念やビジョンが、実務や意思決定の場面にも貫かれていると、組織は強くなる。
  • 偏在する価値とは、場や時間を問わず作用する普遍的な信念である。
     → ブランド、信頼、哲学は、日常のあらゆる局面で「見える形」となって働く。

■ビジネス心得タイトル


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