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恐れの先にある従順と飛躍――真理を見た者の謙虚さ

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■原文

サンジャヤは語った。
このクリシュナの言葉を聞いて、アルジュナは合掌し震えながら、敬礼して再びクリシュナに言った。吃りながら、恐れに恐れ、頭を下げて。
(11章35節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • サンジャヤは語った。
     → 語り手サンジャヤが再びナラ王(ドリタラーシュトラ)に語りかける。
  • このクリシュナの言葉を聞いて、
     → アルジュナは先に語られた「私は世界を滅ぼす時間なり(第32節)」などの神の宣言を聞いた。
  • アルジュナは合掌し震えながら、敬礼して再びクリシュナに言った。
     → 恐れと畏敬の念に満ちて手を合わせ、身を震わせて礼拝した。
  • 吃りながら、恐れに恐れ、頭を下げて。
     → 深い恐怖と畏敬から、言葉にならぬまま頭を垂れ、神の前に従順な姿勢を示した。

■用語解説

  • サンジャヤ:盲目の王ドリタラーシュトラに語る語り手。聖仙ヴャーサから「天眼通」を与えられている。
  • 合掌(añjali):インド文化における最大の敬意の表現。祈りと帰依の象徴。
  • 吃る(どもる):ここでは、アルジュナの動揺や恐怖心が極限に達していることを示す。

■全体の現代語訳(まとめ)

サンジャヤは語った。
クリシュナの言葉を聞いたアルジュナは、身を震わせながら手を合わせ、恐れに満ちて敬礼し、頭を下げた。そして再び、どもりながら神に語りかけた。


■解釈と現代的意義

この節は、アルジュナの心理的変化を如実に示しています。
絶望と迷いの中にいた彼が、神の宇宙的な真実と「時間としての神の役割(死・終末)」を聞いたことで、もはや自我を保てなくなり、完全に神に帰依します。

ここに至って、アルジュナの「戦うべきか否か」の悩みは、恐怖と崇敬の前に一度空白となり、次章以降に新たな理解が生まれていきます。


■ビジネスにおける解釈と適用

  • 変化や崩壊の本質を知ることが、次の行動への第一歩である。
     → 組織変革、事業転換、大きな損失に直面したとき、まず全体像と本質を見よ。そこから恐れを超える意思が生まれる。
  • 自我を超えて、大いなる意志に帰依することで新たな道が開ける。
     → リーダーが一時的に迷いや不安を抱くのは自然なことだが、全体の使命やビジョンに立ち戻ることで突破口が見える。

■ビジネス心得タイトル

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