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見る覚悟がある者に、真実は現れる


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■引用原文(第11章 第4節)

アルジュナは言った。
「主よ、もし私がそれを見るにふさわしいとお考えであれば、
ヨーガの主よ、どうかあなたの不滅なる本来の姿を、私にお見せください。」
—『バガヴァッド・ギーター』第11章 第4節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • おお主よ、もし私にそれ(真の姿)を見る資格があるとあなたがお考えなら、
  • ヨーガ(宇宙的調和)の主よ、
  • 私にあなたの不滅なる姿(永遠の真理)を見せてください。

■用語解説

  • 見ることができる(ドラシュトゥム・アルハミ):観るに値する、受け入れる準備ができている状態。
  • ヨーガの主(ヨーガエーシュワラ):調和・統合・超越の力を司る存在としての神(クリシュナ)。
  • 不滅なる御自身(アヴヤヤム・ルーパム):時間や空間を超えた、神の永遠不変の宇宙的な姿。
  • 見せてください(ダルシャヤ・メー):単なる視覚ではなく、体験的に真理に触れる願いの表現。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、自分が真理を受け入れる準備が整っているかを神に委ねつつ、もしふさわしい存在であるならば、その宇宙的な姿――変わらぬ永遠の本質――を見せて欲しいと願い出る。これは謙虚さと覚悟の両方を備えた、深い信仰と自己認識からの発言である。


■解釈と現代的意義

この節には「真理を求める者の姿勢」が凝縮されています。
見たいと願うだけでなく、「自分にその資格があるか」を問う謙虚さ、
そして「それを受け入れる覚悟」を持って願い出る勇気。
知識や情報は誰でも得られますが、「真の理解」を得るには、
それに向き合う覚悟と、受け取る心の状態が問われるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
謙虚なリーダーシップ「自分は正しい」と思い込まず、「学ぶ資格があるか」を常に自問する姿勢。
覚悟と責任大きなプロジェクトや挑戦を前に、「やりたい」だけでなく「受け止める力があるか」を問う。
判断力と準備本質を見極めたいなら、自分の視座・器を広げ、内的な準備を整えることが必要。
信頼と委任自分では見えないものを、信頼できる相手に「見せてほしい」と願うことで、視野が開かれる。

■心得まとめ

「真実は、見る覚悟のある者にだけ開かれる」

知りたい、見たいという欲求は多くの人が持っていますが、
それを本当に受け止める準備ができている人は少ない。
アルジュナのように、「自分がそれを見る資格があるか」を問う姿勢と、
「見たならば、それに応える覚悟」を持つ者にだけ、真理は姿を見せます。
ビジネスにおいても、成果や真価を見抜く力は、立場や肩書きではなく、
心の謙虚さと責任感、そして準備された覚悟に宿るのです。


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