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自らの中にある英雄性と叡智に目覚めよ


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■引用原文(日本語訳)

「私はヴリシニ族におけるヴァースデーヴァ(クリシュナ)である。パーンダヴァにおけるダナンジャヤ(アルジュナ)である。私は聖者のうちのヴィヤーサである。聖仙のうちのウシャナス・カヴィである。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第37節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • vṛṣṇīnām vāsudevo ’smi
     → ヴリシニ族の中では、私はヴァースデーヴァ(クリシュナ)である。
  • pāṇḍavānām dhanañjayaḥ
     → パーンダヴァたちの中では、私はダナンジャヤ(アルジュナ)である。
  • munīnām apy ahaṁ vyāsaḥ
     → 聖者(ムニ)の中では、私はヴィヤーサである。
  • kavīnām uśanā kaviḥ
     → 詩聖・預言者の中では、私はウシャナス・カヴィである。

■用語解説

  • ヴリシニ族(vṛṣṇīnām):ヤドゥ族の分家にあたる一族。クリシュナの出自。
  • ヴァースデーヴァ(Vāsudeva):神クリシュナの尊称。「ヴァスデーヴァの子」という意味。
  • ダナンジャヤ(Dhanañjaya):アルジュナの異名。「財宝を得た者」「勝利者」の意。
  • ヴィヤーサ(Vyāsa):『マハーバーラタ』や『ヴェーダ』の編纂者とされる聖仙。知の象徴。
  • ウシャナス・カヴィ(Uśanā Kavi):聖なる詩人であり、預言者。神話的な聖仙の一人。

■全体の現代語訳(まとめ)

「私はヴリシニ族においてはクリシュナであり、パーンダヴァの中ではアルジュナである。私は聖者の中ではヴィヤーサであり、詩人・預言者の中ではウシャナス・カヴィである。」


■解釈と現代的意義

この節では、神が 人物そのものとして現れる ことを語ります。

  • クリシュナ・アルジュナ・ヴィヤーサ・ウシャナス――それぞれが 愛・勇気・智慧・先見 を体現する存在です。
  • 神性は「思想」だけでなく、「人の行為・人格」を通しても顕現します。
  • 神は人間の内面に宿る理想像(戦士・指導者・知者・予言者)を通じて、我々を導くのです。

■ビジネスにおける解釈と適用

項目現代的応用
クリシュナ(指導・戦略)組織のリーダーシップ・全体ビジョンを見据える神性。全体性と調和をもたらす。
アルジュナ(実行・行動)決断力と戦略実行力を持つリーダー。勝利への突進力・集中力の象徴。
ヴィヤーサ(知恵・記録・編集)論理的思考、知識管理、ナレッジ活用。伝承・教育・体系化に秀でた知者。
ウシャナス(詩・予見・創造)想像力・ブランド構築・未来洞察。詩的表現や物語力がビジネスの説得力に。

■心得まとめ

「人格を磨き、智慧と勇気を一体とせよ」

戦略ある指導者たれ(クリシュナ)、
実行する勇者たれ(アルジュナ)、
真理を言語化せよ(ヴィヤーサ)、
未来を見通せ(ウシャナス)。
神はそのような人に宿る。


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