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創造と知の本源となれ


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■引用原文(日本語訳)

「私は創造においては本初であり、終末であり、中間である。諸学においては、自己に関する知識である。私は語る者たちの言説である。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第32節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • sargāṇām ādir antaś ca madhyaṁ ca aham
     → 私は創造の始まりであり、終わりであり、中間である。
  • adhyātma-vidyā vidyānām
     → 諸学問の中では、私はアドヒヤートマ(自己に関する知識)である。
  • vādaḥ pravadatām aham
     → 話す者たちの中では、私は正しい議論・言説である。

■用語解説

  • sarga(創造):宇宙・存在の発生。宇宙創造のサイクルそのもの。
  • ādi・anta・madhya(本初・終末・中間):時間の全区間を包括する存在の象徴。
  • adhyātma-vidyā(アドヒヤートマ・ヴィッディヤー):「自己に関する知識」「霊的自己の探求」。ヴェーダンタの中心テーマ。
  • vāda(ヴァーダ):討論・議論・言説。特に理性的・真理探究のための言語行為。

■全体の現代語訳(まとめ)

「私は創造の始まりであり、中間であり、終わりである。あらゆる学問のうち、自己に関する知識である。語る者の中では、私は真理を語る言説である。」


■解釈と現代的意義

この節は、時間の超越性・真理の本質・自己認識の重要性を説いています。

  • 創造の「始・中・終」をすべて包括する存在は、時間と因果の流れそのものを支配する根源。
  • 学問のうち最も重要なのは「自己を知る」知識。これは自己認識・内省・本質への理解を意味する。
  • 正しい言説(vāda)は、単なる話術ではなく、真理を探究する対話として尊重される。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
時間の超越性企画・開発・終息(PDCAなど)の全過程に責任を持つ。部分最適でなく全体視点を持つ。
自己の理解自分の価値観・動機・強み/弱みを深く知ることが持続可能なキャリア・判断に直結。
言葉の責任発言が信頼・方向性・文化を形成する。軽率な言説ではなく、「価値ある言葉」を話す力を重視。

■心得まとめ

「始まりから終わりまで、自己を知り、真理を語れ」

創造のどの段階にも責任を持ち、
知識の中でもっとも重要な「自己」を学び、
言葉をもって道を照らす者となれ。

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