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神の言葉に飽きるな、真理の語りは命の甘露である


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■引用原文(日本語訳)

「クリシュナよ、自己のヨーガと示現とを、更に詳しく語ってほしい。私は甘露(不死)を聞いている時、飽きることがないから。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第18節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • vistarena ātmano yogaṃ vibhūtiṃ ca janārdana
     → クリシュナよ、あなたのヨーガ(霊的能力)と示現(神的顕現)について、より詳しく語ってください。
  • bhūyaḥ kathaya tṛptir hi śṛṇvato nāsti me ’mṛtam
     → なぜなら、私はその甘露(不死の真理)を聞いていて飽きることがないからです。

■用語解説

  • ātmanah yoga(自己のヨーガ):神としての自己の力、すなわち神の意志によって世界を動かす霊的能力。
  • vibhūti(示現):神の顕現、力、威光。神が世界に現れる様々な姿。
  • janārdana(ジャナールダナ):クリシュナの尊称。「人々の苦悩を除く者」の意。
  • amṛtam(甘露):直訳すると「不死のもの」。転じて、永遠の真理・至福・悟りの言葉を意味する。

■全体の現代語訳(まとめ)

「クリシュナよ、あなたの神としての力や、どのようにこの世に現れているかを、どうかもっと詳しく語ってください。
私はあなたの真理の言葉を聞いているだけで、心が満たされ、決して飽きることがないのです。」


■解釈と現代的意義

この節は、アルジュナの“学び続けたい”という飽くなき求道心を示しています。
彼はただ「聞いた」だけで満足するのではなく、真理に対する渇望を持ち、神の姿をより深く知ろうと求めています。

これは、成長する人間にとって本質的な姿勢です。真理・使命・本質的な教えに対して、飽きるどころか、ますます深く聞きたくなる。
その「知的な渇き」は、変化の速い現代でも、指導者・学習者・創造者にとって不可欠な精神です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
学び続ける姿勢一度学んで満足せず、「なぜ?」「もっと深く」と学習を繰り返すことが、専門性と革新を育てる。
リーダーの資質部下や上司の言葉から、価値ある言葉(“甘露”)を選び取り、深く掘り下げる耳を持つ。
顧客理解顧客の声を「飽きずに聞く」ことが、商品・サービスの質を根本から変える。
経営哲学の深化経営理念やビジョンを“もう知っている”で終わらせず、繰り返し問い直し、浸透と進化を図る。

■心得まとめ

「真理に飽きるな。深く聞く者に、甘露は滴り続ける」

知っているつもり、理解したつもりで満足せず、本質的な言葉・知恵・真理に対して“もっと教えてほしい”と願う姿勢が、成長の鍵である。
心から聞きたいと願う者には、真理は何度でも新しく、そして深く染みわたるのである。

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