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神聖を思い続けるには、姿を探し、形に問え


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■引用原文(日本語訳)

「ヨーギンよ、どのようにしたら、常に考察して、あなたのことを知ることができるか。バガヴァットよ、どのような状態において、私はあなたのことを考えたらよいのか。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第17節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • kathaṃ vidyām ahaṃ yogiṃs tvāṃ sadā paricintayan
     → ヨーギンよ、私はどのようにしたら、常にあなたのことを思い続けながら、あなたを知ることができるでしょうか。
  • keṣu keṣu ca bhāveṣu cintyo ’si bhagavan mayā
     → バガヴァットよ、あなたを私はどのような状態において思考すればよいのでしょうか。

■用語解説

  • ヨーギン(yogin):ヨーガを修めた者。ここでは至高の存在としてのクリシュナを尊称する言葉。
  • sadā:常に、絶えず。
  • paricintayan:深く思考する、熟慮する、瞑想的に思い巡らすこと。
  • bhāva(複数形 bhāveṣu):状態・性質・形・存在の在り方。
  • cintyaḥ:思考の対象となるもの、心に思うべきもの。
  • bhagavan:至福の存在、神聖なる者への尊称。ここではクリシュナを指す。

■全体の現代語訳(まとめ)

「ヨーガの達人よ、私はどのようにすれば常にあなたのことを深く考え、あなたの本質を理解できるでしょうか。また、私はあなたのどのような姿や現れを思って、あなたを想念すればよいのでしょうか。」


■解釈と現代的意義

この章句は、アルジュナがクリシュナに対して「神の本質を理解し続けるには、どのような形で意識すればよいのか」と問う真摯な問いです。
それは、抽象的な理念をどう具体的なイメージや行動につなげていくかという、極めて現代的な課題でもあります。

たとえば「正義」や「使命」といった理念は抽象的ですが、それをどのような具体的形(行動・言葉・風景)で思い描けば、私たちは日常でぶれずに保てるのか。その実践的視点がここに問われています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
抽象から具体へ経営理念やビジョンを「日常のどんな行為や姿に宿るのか」を明確にし、チームに浸透させる。
意識の継続忙しい中でも、「誰のために」「何を目指して」行動しているのかを定期的に思い出す工夫(例:朝礼、振り返り)。
リーダーシップの型部下に「リーダーとしてどうあればよいか」と問われたとき、具体的な在り方(誠実・勇気・判断など)を示せる準備を持つ。
信念の持続「何を思えば心が定まるか」を知っておくことが、困難に直面したときの指針となる。

■心得まとめ

「理念は形を問え、想いは日常に根づけ」

崇高な価値や理想を抱くことは尊いが、それを曖昧なままにせず、「どの状態で」「どんな姿として」思い出せばよいかを問い続けよ。
理念を行動に落とし込み、信念を具体化できる者こそ、変わらぬ集中と実行力を保てるのである。


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