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すべての源を知る者は、信と愛で生きる


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■引用原文(日本語訳)

「私は一切の本源である。一切は私から展開する。そう考えて、知者たちは愛情をこめて私を信愛するのである。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第8節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • ahaṃ sarvasya prabhavaḥ
     → 私はすべての存在の源である。
  • mattaḥ sarvaṃ pravartate
     → すべては私から展開している。
  • iti matvā bhajante māṃ
     → このように理解したうえで、私を礼拝(信愛)する。
  • budhāḥ bhāva-samanvitāḥ
     → 知者たちは、深い愛情をこめて。

■用語解説

  • 一切(sarvasya / sarvaṃ):宇宙のすべて、あらゆる存在・現象・出来事。
  • 本源(prabhavaḥ):生起・創造の源。原始の力。
  • 展開する(pravartate):広がる、生まれ出る、作用する。
  • 知者(budhāḥ):真理を知る人、深く理解する者。
  • 信愛(bhajante):尊敬と愛をもって親しむこと。信じて敬い、心を寄せる行為。
  • 愛情をこめて(bhāva-samanvitāḥ):感情や真心と共に。

■全体の現代語訳(まとめ)

「私はこの宇宙に存在するすべての根源であり、あらゆるものは私から生まれてくる。
この真理を理解した知者たちは、私(神・真理)を深い愛と敬意をもって礼拝するのである。」


■解釈と現代的意義

この節は、「世界に存在するすべてのものは一つの根源から展開している」という、ヴェーダ的宇宙観の核心を表しています。
それを本当に理解した者は、傲慢や自己中心を捨て、世界と他者、そして自分自身への愛と敬意をもって生きるようになる。
それは宗教的というより、「根源を知った者の生き方」として、非常に実践的な姿勢です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
組織と使命感「すべての事業には根源がある」と知ることで、表層的な利益でなく“志”に根ざした仕事ができる。
マネジメント部下も顧客も自分と同じ「一つの源」から生まれた存在と認識することで、敬意と信頼が生まれる。
リーダーの在り方原理を深く理解したリーダーは、「恐れ」ではなく「信」と「愛」で組織を導くことができる。
持続可能な行動原理自分の行動や判断が「全体の流れから発する」ものであると認識するとき、自然と利他的で協調的になる。

■心得まとめ

「すべてのはじまりを知るとき、すべてを愛する力が生まれる」

この世界のすべてが一つの源から現れ、そして自分もまたそこから生まれたと深く理解する者は、
他者を競争相手ではなく「同じ流れの仲間」として見つめることができる。
そうした視点からの“信頼と愛”こそが、最も強く持続する力を生むのです。


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