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源を知らずして、本質には至れない


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■引用原文(日本語訳)

神々の群は私の本源を知らない。大仙(偉大な聖仙)たちもまた。なぜなら、私はあらゆる点で、神々と大仙たちの本初であるから。
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第2節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • na me viduḥ sura-gaṇāḥ
     → 神々の群は、私を知ってはいない。
  • prabhavaṃ na maharṣayaḥ
     → 偉大な聖仙たちも、私の本源を知らない。
  • aham ādhiḥ hi devānāṃ
     → なぜなら、私は神々の起源であり、
  • maharṣīṇāṃ ca sarvaśaḥ
     → また、聖仙たちの起源でもあるからである。

■用語解説

  • 神々の群(sura-gaṇāḥ):インドラなどヴェーダの神々。自然や宇宙の諸力を司る存在。
  • 大仙(maharṣayaḥ):偉大なリシ(聖仙)。精神的修行者・叡智者で、真理に通じる者とされる。
  • 本源(prabhava):発生源、起点、由来。万物の根源。
  • 私はあらゆる点で(sarvaśaḥ):すべての面において、完全に。
  • 本初(ādhiḥ):最初の存在、源であるもの。すべての始まり。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは言う――「たとえ神々や偉大な聖者たちでさえ、私という存在の根源を理解していない。なぜなら、私こそが神々や聖仙たちの起源、すべての始まりであるからだ」。
これは、神々や賢者をも超えた存在としての「至高の主(バガヴァーン)」としての自己宣言である。


■解釈と現代的意義

この節は、「表面的な知識や権威、地位では、真理の根源には至れない」ということを示しています。たとえ神や偉大な賢者であっても、その本源を知らなければ、真の理解には到達できない。
私たちもまた、表面の成果や肩書きに満足するのではなく、常に「本質」に近づこうとする姿勢が求められるという教えです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
原理への意識数字や結果だけを見るのではなく、なぜこの事業が存在するのか、何を大切にしているのかという「本源」を意識することで、意思決定に深みが出る。
組織運営役職・経験年数があっても、原点・使命を忘れると判断が鈍る。初心と理念に立ち返ることが組織の正道を守る鍵。
顧客理解顕在的なニーズや行動だけでなく、その背後にある「本源的な動機・価値観」に目を向けることで、真に必要とされるサービスが見えてくる。
学びの姿勢資格や知識の蓄積だけではなく、事象の根本を見抜く「洞察力」がリーダーには求められる。

■心得まとめ

「目に見えるものに惑わされず、常に原点と本質を探れ」

真のリーダーシップや判断力は、肩書きや経験年数ではなく、「物事の本源に迫ろうとする姿勢」から生まれる。
神々さえも知らぬとされる“真理の起源”を求める探究心こそ、時代や環境を超えて通用する力となる。


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