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すべての根源は我にあり――父にも母にも、知識にも祈りにも


目次

■引用原文(日本語訳)

私はこの世界の父であり、母であり、配置者であり、祖父である。
知らるべき対象である。浄化具である。
聖音オームである。讃歌、歌詠、祭詞である。
(『バガヴァッド・ギーター』第9章 第17節)


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 私はこの世界(宇宙)のである。
  • 同時にであり、
  • **配置者(世界を定めた者)**であり、
  • **祖父(過去の根源)**でもある。
  • 私は知るべき対象であり、
  • **清めの道具(浄化具)**であり、
  • **オーム(聖音)**であり、
  • ヴェーダの讃歌・賛歌・祭詞である。

■用語解説

  • 父(ピター)・母(マーター)・祖父(ピターマハ):生命の源。生成・育成・保護・伝承の象徴。
  • 配置者(ダータ):秩序を定め、万物に役割や位置を与える原理。
  • 知らるべき対象(ヴェッヤム):精神修行や探求によって目指す、究極の真理・神のこと。
  • 浄化具(パヴィトラム):魂の不純を清め、真理に導く媒体。行為・知識・信仰の手段でもある。
  • オーム(ॐ, Om):宇宙の根本的音。すべての存在と祈りの根本であり、神の象徴。
  • 讃歌・歌詠・祭詞(リク、サーマ、ヤジュス):ヴェーダにおける3種の言葉。詩的賛美・旋律・儀式のことば。

■全体の現代語訳(まとめ)

私は、この世界の根源として、
命を与える父であり、育む母であり、仕組みを与える者であり、過去を継ぐ祖父でもある。
私は真理として探求される対象でもあり、
魂を清める手段でもある。
私はすべての祈りの始まりである「オーム」であり、
ヴェーダにおける賛歌、旋律、祭儀の詞でもある。


■解釈と現代的意義

この節では、神(クリシュナ)が「宇宙に関わるあらゆる関係・役割・言葉の源泉である」と宣言します。
父母という家族的関係から始まり、知識・秩序・祈りに至るまで、
神聖さはあらゆる場面・関係・手段に宿っていると示されています。

この教えは、「神聖さは日常の中にある」ということを改めて思い出させてくれます。
生まれること・育まれること・知ろうとすること・語ること――そのすべてが崇高であるという視点です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
組織における役割の理解経営者=父、支援者=母、制度設計者=配置者…というように、各人の役割は違えど、全体に貢献している。
価値の多様性の尊重誰かの知識(オーム)も、祈り(祭詞)も、行為(供物)も、すべてが組織や社会の中で価値あるもの。
根本への回帰仕事においても「なぜこれをするのか」「誰のためか」という源流意識を持つことが行動の質を高める。
全体性の理解知識、制度、人間関係、祈り――すべてがつながって組織やプロジェクトは成り立っている。部分でなく全体を見よ。

■心得まとめ

「根源を忘れず、関係を尊び、祈りのごとく仕事をせよ」

父のように力を与え、母のように支え、祖父のように知恵をもたらす。
神はそのすべての役割に宿り、また私たちの日々の行為にも宿っている。
だからこそ、仕事も人間関係も、敬意と意義をもって捉えよう。
祈りのように心を込めて行えば、どんな行為も浄化となる。


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