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欲に振り回される者は、真の道を見失う


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■引用原文(日本語訳)

彼らは空しい願望を抱き、
空しい行為をし、空しい知識を得、
分別を失い、
人を迷わせる、羅刹的、阿修羅的な本性に依存する。
(『バガヴァッド・ギーター』第9章 第12節)


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 彼ら(神を軽んじ、本質を見抜けぬ者たち)は、
  • 虚しい欲望にとらわれ、
  • 虚しい(実りのない)行為を繰り返し、
  • 虚しい知識(誤った・無益な知識)を得て、
  • 真理を見抜く分別を失い、
  • 羅刹(ラーカシャス)や阿修羅(アスラ)のような本性に依存している。

■用語解説

  • 空しい願望(モーガーシャー):欲望に基づいたがために成就せず、苦しみを生む願望。
  • 空しい行為(モーガカルマーナ):意味や目的を失った行動。自己中心的、または自己破壊的な行為。
  • 空しい知識(モーガジュナーナー):自己正当化や誤解に基づく知識。知識であって智慧でない。
  • 分別を失う(ヴィチュエータサハ):正邪や真偽を判断する力(理性)を失うこと。
  • 羅刹的・阿修羅的本性:暴力的・破壊的・傲慢・利己的など、霊的成長を阻む本性に支配された状態。

■全体の現代語訳(まとめ)

神の本質を知らずに軽んじる者たちは、
叶わぬ欲望にとらわれ、成果のない行為に明け暮れ、
知識を得たつもりでも知恵には至らず、
真理を見抜く目を失って、
乱暴で傲慢な、羅刹や阿修羅のような性質に支配されて生きている。


■解釈と現代的意義

この節は、「誤った価値観に従って生きることのむなしさ」を厳しく描いています。
欲望、行為、知識という本来崇高なものが、方向を誤ればすべて「空しい」ものになってしまう。
その根底には、「本質を見ようとしない姿勢」があるのです。
現代でも、成功・お金・知識に振り回されて、本当に大切なことを見失う生き方への警鐘として響きます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
誤った成功観「儲けたい」「目立ちたい」といった欲望だけで動くと、結果として非効率で空しい結果に終わる。
意味なき努力数字や表面的成果ばかりを追って、本質的な価値を見失った行動は組織を疲弊させる。
偽の知識と傲慢さ表層的な知識で満足し、他者を見下す態度は、学びの機会を失い、組織内での孤立を招く。
価値観の根本の重要性利己的・支配的な行動様式(アスラ性)では、短期的成功はあっても長期的信頼と成長は得られない。

■心得まとめ

「欲に生きれば、空虚に沈む」

目的のない欲望、意味のない行動、真理を欠いた知識。
これらに振り回される者は、自己中心的で破壊的な性質に陥り、本当の成功も幸福も手に入れることはできない。
ビジネスでも人生でも、まず自らの価値観と動機を見直すことが、真の道への第一歩である。


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