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■引用原文(日本語訳)
アルジュナよ、この教法を信じない人々は、
私に達することなく、死と輪廻の道において回帰する。
(『バガヴァッド・ギーター』第9章 第3節)
■逐語訳(一文ずつ訳す)
- アルジュナよ、
- この至高の教え(信仰と実践の道)を信じない者たちは、
- 私(至高の実在)に到達することはできず、
- 死と再生の循環(輪廻)の中で、再び生まれ変わり続ける。
■用語解説
- 教法(ダルマ):宇宙的真理にかなった生き方、ここではバガヴァーン(神)への信仰とカルマ・ヨーガの実践。
- 信じない人々(アシュラッダダーナー):疑念を抱き、真理の教えに心を開かない者たち。
- 私に達することなく:バガヴァーン(神)=絶対者との合一、すなわち解脱(モークシャ)に至らない。
- 死と輪廻の道(ムリティユ・サムサーラ・ヴァルチャニ):死と再生を繰り返す苦しみのサイクル、現世的迷妄の連続。
■全体の現代語訳(まとめ)
クリシュナは、霊的な真理の教えを信じず、実践を拒む者たちは、永遠の自己(神)に至ることなく、生と死の繰り返し――すなわち迷いと苦しみの輪廻に囚われ続けると語る。信じる心と実践こそが、魂の解放への扉を開く鍵だとされている。
■解釈と現代的意義
この節は、真理や教えを受け入れる「信」の力がなければ、人は根本的な自由に到達できないことを説いています。疑い深さや皮肉は知性に見えるかもしれませんが、それだけでは心の平安や魂の成熟には至らず、かえって迷いを深める原因にもなります。信じることで人は開かれ、変容の道に踏み出せるのです。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
ビジョンへの信頼 | 組織のビジョンや理念に懐疑的な態度ばかりだと、心が閉じ、成長機会を失う。信じて一歩踏み出すことで、成長の道が開かれる。 |
学びの姿勢 | 教えや経験を素直に受け取らない者は、同じ問題を繰り返し続ける。謙虚に学ぶ姿勢が進化をもたらす。 |
成功への道 | 不確実な中でも信念を持って挑戦する人は、成功への道を切り拓く。疑って止まる者は、前に進めず同じ場所にとどまり続ける。 |
■心得まとめ
「信じる心が、迷いからの出口をつくる」
人は、信じなければ真の成長も解放も得られない。
疑念は心を閉ざし、輪廻――同じ過ちや苦しみの繰り返しをもたらす。
ギーターは、信じることの尊さと、それが生を超える道への第一歩であることを力強く語っている。
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