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組織図をつくる

組織としての体裁を整える段階です。

スモールビジネスで「組織をつくろう!」と言っても従業員は基本的に理解を示してくれません。それどころか、批判的な意見を述べてくる可能性が極めて高いです。

しかし組織図は、会社運営をしていく上で、非常に重要な要素です。組織図を作ることで、現状がクリアになり、長期的なビジョンを実現するために必要不可欠なものです。

非常に有益なので組織図を作りましょう。その前になぜ組織図が必要か記載していきます。

目次

個人に依存すると崩壊する

たいていの会社では、どの役職がどんな責任を負うのかを明確にしないまま、仕事が進められています。

このような状態だといずれ限界がやってきます。

例えば、2人で創業したとします。

2人で分担して仕事を進めていきます。Aさんがものを作っていないときには、Bさんが作る。

Aさんが顧客に対応できない時は、Bさんが対応するといったように、少人数の場合は、そのような役割分担もスムーズに進められている感じます。

順調に仕事が増えてきて、手に負えなくなってきた場合、人を雇用します。

3人で仕事を分担して対応していきます。

Aさんが帳簿をつけられない時は、Bさんが対応します。2人ができない時はCさんが対応します。

さらに1人増やします。

今までなかったような商品の返品が起きます。

今までなかったような帳簿の数字が合わなくなります。

誰に責任があるのか、どちらが責任を取るべきなのか、AさんとBさんが違う対応を依頼した場合、どっちのことを信じたらいいのか、帳簿の数字が合わない時はだれが責任を持つのか、、、、

指揮・命令系統や仕事の内容を明確にした組織図がない場合、迷路に迷い込み、堂々巡りになってしまいます。

組織図をつくる

もう一度起業をやり直すし、経営方法を再度変更しなければいけません。きっちりとした会社として考える必要があります。

  1. 自分の人生の明確化
  2. 株主の明確化
  3. 戦略目標の作成
  4. 組織図の作成
  5. 役職を割り当てる
  6. 役職契約書を締結

自分の人生を明確にする

台所の机に向かい、二人はそれぞれの白紙の一番上に自分の名前を書く。

そして、名前の下に「人生の目標」を書きはじめる。

一時間ほどかけて、二人はそれぞれに、自分の人生がどうあってほしいかを考えながら、結論を書き記す。二人は、お互いが書いたことについて話し合い、人生の夢を共有する。

この過程で、おそらく、兄弟とはいいながらもお互いの知らない一面を発見するはずである。

株主を明確化

彼らは最初に、自分たちの会社を、きっちりとした会社として考えることからとりかかった。二人は自分たちを株主と考えることにしたのである。

白紙の上から三分の一くらいのところに横線を引き、線の上に、太字で「株主」と書く。

ここでは、二人が会社の所有者であること、そして二人が「従業員」であることに合意する。こうすることで、のちのちのトラブルを避けられるのである。

戦略目標の作成

次の段階では、彼らの会社の戦略的目標をつくることになる。

二人はまず、会社の営業エリア内の人口、潜在的な顧客数、競合状況、市場の成長性などの統計資料を分析することにした。またマーレイは、見込み客を対象に、競合他社の商品に満足しているかどうかを聞くアンケートを行うことにした。

同時に、別の見込み客百五十人を対象に電話をかけて、利用者ニーズの分析も行った。一方で、ジャックは銀行からお金を借りるために必要な財務データの準備を始めた。

マーレイの調査が終わった段階で、二人は打ち合わせをし、戦略的目標を完成させ、収支計画を見直すことにした。

幸運なことに、マーレイが集めた情報から判断すれば、競合は少なく、十分な潜在顧客がいるようだ。

組織図の作成

二人は戦略的目標を完成させ、それから組織を発展させるための重要な仕事――組織図の作成―にとりかかる。二人は戦略的目標を決めるときに、会社の事業領域を次のように決めた。

JMエンジエアリング社は、A地区の生活者を対象に、機械製品とその関連部品を組み立てて販売する。

これを受けて、二人は組織図に次の役職が必要になることに同意した。

  • 社長戦略的目標を達成する責任および株主への報告責任を負う。
  • 営業担当副社長顧客を発見し、低コストでかつ簡単に、顧客を満足させる責任を負う。また社長への報告責任も負う。
  • 製造担当副社長契約通りに商品を顧客に届け、より低いコストで顧客を満足させるような商品を開発する責任を負う。また社長への報告責任も負う。
  • 財務担当副社長収益日標を管理し、必要に応じた資金調達を行うことで、営業部門と製造部門をサポートする責任を負う。また社長への報告責任も負う。
  • 営業担当副社長のもとに、マーケテイング部長と営業部長の二つのポストを置く。
  • 製造担当副社長のもとに、製造部長、施設管理部長、顧客サービス部長の三つのポストを置く。
  • 財務担当副社長のもとに、財務部長と経理部長の二つのポストを置く。

ジャックとマーレイは、完成した組織図を見て笑いだした。まるで大きな会社のような立派な組織図に仕上がったからである。

役職を割り当てる

ただ一つの問題は、すべての枠にジャツクとマーレイの名前を書き込まなければならないことである。

なにしろ、従業員は二人だけなのだしかし、この組織図には、JMエンジエアリング社に必要な仕事がすべて書き込まれている。

会社が成長して社員が増えたとしても、役職者の名前が変わるだけで、やるべき仕事は変わらないのである。

役職契約書を締結

二人が次に行うべき仕事は、組織図に書き込まれた役職ごとに、役職契約書(これは私たちE-Myth社独自の呼び方である)を作成することである。

役職契約書とは、会社と従業員との間の契約書類であり、組織の一員としての責任を明らかにするものである。

つまり、役職契約書とは、誰が担当者で、誰が責任を負うのかを明記した文書だと考えればよい(業務内容や期待される成果、職務知識について記した職務記述書とは異なるものである)。

役職契約書を完成させた後に、株主としてジャックとマーレイはそれぞれの役職を任命するという最も大切な仕事を始める。

過去の失敗を繰り返さないためにも、この作業には細心の注意が必要である。まず最初に考えるべきなのは、誰が社長を務めるのか?という問題である。もちろん社長を名乗ることができるのは一人しかいない。

適任なのはジャックだろうか?・マーレイだろうか?彼らはじつくりと考える。なにしろ社長は、ジャックとマーレイが人生の夢を達成するための最終的な責任を負う大役である。

マーレイは、熟考した結果、ジャックが社長になるべきだという結論に達した。マーレイは兄であつたが、ジャックのほうが責任感が強かった。マーレイは、発想力には自信があったが、社長の仕事では責任感のほうが重要だと考えた。

マーレイは、ジャツクと相談し、長い話し合いの結果、ジャックが社長になることが決定した。そしてジャックは、社長の役職契約書にサインをした。

次は、営業、製造、財務をそれぞれ担当する三人の副社長を決める番だ。ジャックはマーレイに、営業担当副社長を引き受けるように頼む。

なぜなら、マーレイは事業を立ち上げる前の市場調査ですばらしい才能を見せていたからである。この仕事をやりたいと考えていたマーレイは、喜んでこれを受け入れ、営業担当副社長の役職契約書にサインをする。そして、ジャックは会社の代表者として、マーレイを営業担当副社長と認めるサインをする。

次は製造担当副社長である。

マーレイが営業と製造の両方を同時に見ることは難しいと考えたので、ジャックはこの役職を引き受けることにした。

今回はジャックが副社長と社長の二つの立場から、二つのサインをすることになる。

そして最後に、ジャックは財務担当副社長を引き受けることにして、サインをする。几帳面なジャックがこの役職に打ってつけなのは、いうまでもない。

部長のポストについては、マーレイがマーケティング部長と営業部長を、そしてジヤツクは製造部長、施設管理部長、顧客サービス部長、財務部長、経理部長の仕事を引き受けることになった。

すべての役職契約書にサインが書き込まれた後、二人は契約書を見直して驚いた。

マーレイの役職は三つなのに、ジャックの役職は八つなのだ―少し考えてから、マーレイは顧客サービス部長と財務部長と経理部長の役職を引き受けることにした。

これで二人の仕事の負担は、おおよそ平等である。同時にたくさんの役職を引き受けるリスクも高いが、ともかく組織図は完成したのである。

まだ仕事は始まっていないが、二人の間では、会社の将来像や仕事内容、そして各役職者の責任範囲についてのイメージを共有化することができたのである。

組織図を完成させたことで、ジャックとマーレイは、会社がなんとか組織らしくなってきたことに満足感を覚えていた。

そして、仕事量は膨大でも、なんとかなりそうな気になってきた。彼らは組織づくりの仕事を見事にやってのけたのである。そしてこの作業が完成したことで、事業の試作モデルの一部ができたことになる。

ワーク

  1. 自分の人生の明確化
    1. 自分の人生をどうしていきたいかを明確化しましょう。
  2. 株主の明確化
    1. 株主を明確にしましょう。
  3. 戦略目標の作成
    1. 戦略目標の作成をしましょう。
  4. 組織図の作成
    1. 組織図を作成しましょう。
  5. 役職を割り当てる
    1. 役職に名前を割り振りましょう。
  6. 役職契約書を締結
    1. 役職契約書を作成して、押印しましょう。
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