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至高に至る者は、もはや迷いに戻らない


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「私に到達して、最高の成就に達した偉大な人々は、苦の巣窟である無常なる再生を得ることはない。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第15節


■逐語訳

「私(至高神)に到達した偉大な魂たちは、
もはやこの無常で苦に満ちた生死の循環に再び戻ることはない。
彼らは最高の成就(解脱)を果たしたのである。」


■用語解説

  • 私に到達する(マーム・ウプェーティ)
     至高の神(クリシュナ)と一体となること。神の境地に至ること。
  • 最高の成就(パラム・サンシッティム)
     究極の到達点。輪廻からの解脱、真の自由、悟りの境地。
  • 偉大な人々(マハートマーナハ)
     高潔な魂を持ち、神に専心し、真理に生きた者たち。
  • 無常なる再生(アプナヴァル・アルジュナ)
     この世に生まれ変わること。生老病死を繰り返す苦の輪廻。
  • 苦の巣窟(ドゥッカルヤム)
     この世の存在が本質的に苦しみに満ちていることを示す仏教的思想と通ずる表現。

■全体の現代語訳(まとめ)

神に到達し、最高の悟りを得た偉大な魂たちは、
もはやこの無常で苦に満ちた現世に再び生まれ変わることはない。
彼らはすでに、究極の目的地に至った者たちである。


■解釈と現代的意義

この節は、**「解脱=再び生まれ変わらなくてよい境地」**を説いており、
その道が「神への信愛と集中」によって開かれることを示しています。

この教えは、単に死後の解脱の話ではなく、
「迷いの輪から自由になる」という現実的な意味合いも含んでいます。
私たちは日々、期待・不安・欲望に揺れ、
ある意味で「生まれ変わっては迷う」を繰り返している――
そこから解放されるには、「不変の真理」に意識を向け続けるしかないのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
迷走の回避表面的なトレンドや短期的利益ばかりを追うと、常に同じ問題に直面する。「本質」に到達した人は、同じ過ちを繰り返さない。
本質的ゴールの確立成果を超えた“あり方”の成就(顧客への真の貢献、社会的意義など)を得た人は、ビジネスにおいても持続可能でぶれない。
精神的自由の獲得成功や失敗に一喜一憂せず、執着から自由でいられることが、真に強く自由なリーダーシップを生む。

■心得まとめ

「真理に達した者は、もはや彷徨わない」

この世界は、快楽と苦悩、生と死、期待と失望が繰り返される「苦の輪」である。
だが、心を神(または理念・真理)に定め、そこに到達した者は、
もう迷いのループに戻ることはない。
ビジネスにおいても、自分なりの「最高の成就」にたどり着いた人は、
目先の浮き沈みに惑わされず、穏やかで、ぶれない人生を歩んでいく。

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