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心を他に移すな――専心が、神を近くする


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「常に心を他に向けることなく、絶えず私を念ずる者、その常に〔私に〕専心したヨーギンにとって、私は容易に到達される。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第14節


■逐語訳

「心を他のものに向けることなく、常に私(神)を念じている者――
そのように常に私に心を集中させたヨーギー(修行者)にとって、
私は到達することが容易である。」


■用語解説

  • 常に心を他に向けることなく(アナンニャ・チェータハ)
     心を神以外に逸らさず、一点に集中させること。迷いや雑念のない専心状態。
  • 絶えず念ずる者(サタータム・スマラン)
     途切れることなく、日常の中で継続して神を思い続ける者。
  • 専心したヨーギン(ニティヤ・ユクタ・ヨーギナハ)
     常にヨーガ(精神統一)に結びつき、神に意識を集中させた行者。
  • 容易に到達される(スラバハ・パールヴァ)
     神に至ることが難しくない、すなわち努力が自然に実を結ぶという意味。

■全体の現代語訳(まとめ)

心を他のことに向けず、日々、神に意識を集中し続ける者――
そのような専心の人にとっては、神(クリシュナ)に到達することは難しくなく、
むしろ自然な結果として、神の境地に達することができる。


■解釈と現代的意義

この節は、「継続した信愛と集中」が、神(真理)に至る最短・最確実な道であることを示しています。
複雑な学問でもなく、激しい修行でもない――
ただ日々、心を一つにして念じ続けること
それが神を“遠い存在”から“手の届く存在”へと近づけるのである。

これは、継続・一貫性・誠実さという、どの時代にも通じる価値を教えています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
集中と一貫性ゴールを明確にし、それを日々意識し続ける人は、他に目移りせず、確実に成果に至る。
継続力の価値「絶えず」理念・顧客志向・品質への思いを持ち続ける企業や個人が、信頼と成功を積み上げる。
精神的軸の保持判断や行動に迷いがない人は、精神的な軸(信念・理念)を日々確認し続けている。それが困難なときの支えになる。

■心得まとめ

「揺れぬ心が、真理を近くする」

神(あるいは理想・使命)は、特別な力を持つ者だけのものではない。
ただ一つの対象に心を向け続ける者――
その日々の姿勢こそが、真理に到達する資格である。
ビジネスにおいても、「一貫して何を思い、何に向かっているか」が、
やがて誰にも到達できない高みへと自然に導いてくれる。


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