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超越の存在を想え――限界を超える心が、限界を超える道を開く


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「太古の聖仙、支配者、極微よりも微細な者、一切の配置者、不可思議の形の者、暗黒の彼方で太陽の色をした者――その者を念ずれば、」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第9節


■逐語訳

「太古より存在する聖なる賢者(プルシャ)、
すべてを統べる支配者(主)、
極微よりもさらに微細な存在であり、
すべてを整え秩序づける存在、
不可思議な形を持つ神秘なる者、
闇を超えて太陽のように輝く者――
その者(神)を念ずるならば……」

※この節は後半に続くため、文が完結していませんが、ここまでで神の形而上的性質が列挙されています。


■用語解説

  • 太古の聖仙(プラーナ・プルシャ)
     永遠にして始まりなき霊的存在。宇宙創造以前から存在する「原人(根本霊)」。
  • 支配者(イーシュヴァラ)
     全宇宙を司る主宰神。すべての因果のコントロールを握る存在。
  • 極微よりも微細な者(アニュイヤーン)
     物質的には到底捉えられないほど精妙な存在。内奥に宿る魂よりもさらに微細。
  • 一切の配置者(ダータ)
     宇宙の秩序、法則、現象を正しく配列・維持する存在。創造と保持の主。
  • 不可思議の形の者(アチンティヤ・ルーパ)
     人間の知性では理解できない、限界を超えた神の姿。
  • 太陽の色をした者(アーディティヤ・ヴァルナ)
     光輝に満ち、無明を照らす至高の存在。霊的な啓明の象徴。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは「神」の本質について、言葉では捉えきれない壮大で形而上学的な属性を挙げる。
その神とは――
始まりなき存在、すべてを支配する主、目に見えぬ微細な本質、宇宙の秩序そのもの、不可思議な形を持ち、光そのものである――
このような存在を真摯に念じるならば、魂はその方向に導かれていく。


■解釈と現代的意義

この節は、「思考の対象が人をつくる」という原理を、神的次元にまで高めて説いている。
想像を超える偉大な存在に思いを向けることで、人の心は自らの限界を超えようとする。
つまり、念ずる対象の偉大さが、そのまま私たちの精神の高さを決めるのである。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
ビジョンの高さ到達が難しいように見えても、壮大で理想的なビジョンを描くことで、行動や思考がそのレベルに近づいていく。
リーダーシップの源泉一段上の存在(理念、理想、価値)を常に意識することが、人間的な器を育てる。
創造力の起点目に見えるもの・手に入るものだけでなく、目に見えない大きな力を念じ、信じることが、非凡な発想をもたらす。

■心得まとめ

「偉大な存在を思えば、心もまた偉大に引き上げられる」

人間は、思う対象に自らの心を似せていく。
だからこそ、偉大な理念、神聖な価値、限界を超えた存在に念を集中することが、
自らを進化させ、人生を高めていく最良の道である。
ビジネスにおいても、卓越した存在を思い描き、それに準じた行動を積み重ねてこそ、
真の成功と充実に近づいていく。


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