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■原文
アルジュナよ、四種の善行者が私を信愛する。すなわち、悩める人、知識を求める人、利益を求める人、知識ある人である。
(第7章・第16節)
■書き下し文
アルジュナよ、四種の善き者は我を信愛す。すなわち、悩む者、知を求むる者、利を願う者、そして知ある者なり。
■現代語訳(逐語/一文ずつ)
- アルジュナよ、四種の善行者が私を信愛する。
→ アルジュナよ、四つのタイプの徳のある人々が、私(神)に愛と帰依を示す。 - すなわち、悩める人、知識を求める人、利益を求める人、知識ある人である。
→ それは、苦しみから救いを求める者、真理を探し求める者、現世の恩恵を望む者、そして真の知を得た者である。
■用語解説
- 信愛する(バクティ):心から神に向かい、信頼し、愛する態度。
- 善行者(スクリティナ):誠実で道徳的に生きようとする者。
- 悩める人(アルティ):苦悩や困難にあえぎ、救いを求める人。
- 知識を求める人(ジグニャース):真理・智慧・霊的知識への関心を抱く人。
- 利益を求める人(アルタールティ):現実的な目的(成功・健康・守護など)を願う人。
- 知識ある人(ジュニャーニ):神の本質を理解し、至高者との一体を知る人。
■全体の現代語訳(まとめ)
アルジュナよ、神に愛を向ける者には四つのタイプがある。苦しみを癒やされたい者、真理を求める者、現世の利益を得たい者、そして真に神を知る智者である。
■解釈と現代的意義
人は様々な動機から信仰や道徳に向かう。たとえ利得や悩みから始まっても、やがてそれは知と悟りへ導かれる可能性をもつ。神はすべての入口を受け入れる。
■ビジネスにおける解釈と適用(個別解説付き)
- 1. 悩める人(アルティ)
→ トラブル時に相談する部下や顧客がここに該当。苦境が信頼を築く起点になることもある。
→ 「苦しみから誠実な関係が始まることを受け入れよ」 - 2. 知識を求める人(ジグニャース)
→ 探究心ある若手・同業者。学びを求めて寄ってくる人々に対して、自社の理念を開示することが重要。
→ 「探究者には真理で応えよ」 - 3. 利益を求める人(アルタールティ)
→ 商談目的の接触。誠実に成果を出すことで信頼が育ち、表層の動機を超える関係が築ける。
→ 「利害関係は信頼関係の入口にもなる」 - 4. 知識ある人(ジュニャーニ)
→ 同じ価値観・理念を共有するパートナー。深い信頼に基づく共同が可能。
→ 「理念で結ばれた同志と志業を成せ」
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