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■原文(日本語訳)
ヨーギンは苦行者よりも優れ、知識人よりも優れていると考えられる。
またヨーギンは祭式を行う者よりも優れている。
それ故、アルジュナよ、ヨーギンであれ。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第46節
■逐語訳(一文ずつ)
- ヨーギンは、苦行する者よりも優れているとされる。
- また、学識ある者よりも優れているとされる。
- さらに、宗教的儀式を執り行う者よりも優れている。
- それゆえに、アルジュナよ、おまえはヨーギンとなれ。
■用語解説
- ヨーギン:ヨーガ(自己統御と神への一体化)を実践する者。心身を制御し、自己と神を結びつける修行者。
- 苦行者(タパスヴィン):肉体的な厳しい修行を通して自己を高めようとする人。
- 知識人(ジュニャーニン):知識(理論・哲学)を追求する人。
- 祭式を行う者(カルマ・カンダの実践者):ヴェーダに基づいた儀式や宗教的行為を行う人。
■全体の現代語訳(まとめ)
ヨーギンは、苦行を積む者よりも、学識ある知識人よりも、儀式を行う宗教者よりも優れているとされる。
だからこそ、アルジュナよ、おまえはヨーギンを目指すべきである。
■解釈と現代的意義
この節は、**「ヨーガの実践こそが人間の完成に至る最も包括的な道である」**という、バガヴァッド・ギーターの核心思想の一つを明示しています。
知識、行動、苦行、儀式――それらはすべて一部の修行・救済手段ですが、
ヨーギンはそれらを統合し、内的な制御と神との一致を目指す存在です。
これは、単なる知識や形式ではなく、「生き方そのものが統合された道」であることの価値を強調しています。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈・応用 |
---|---|
表面的でなく本質を追う | スキル・知識・儀礼ではなく「全人格的な統合と集中」が重要。 |
ワーカーよりもマスターへ | ただ働く人(儀式実行者)よりも、統一された心で目的に向かう人(ヨーギン)が強い。 |
知識と実践の融合 | 理論だけでも、苦労だけでも不十分。内面の集中と実践が必要。 |
リーダー像 | チームや企業においては、ヨーギンのように自己統御とビジョンの集中ができる人が真のリーダー。 |
■心得まとめ
「生き方を統合せよ」
学ぶ者よりも、
苦しむ者よりも、
儀式に勤しむ者よりも、心を整え、
自己を制御し、
信念と実践を結びつけた者が
最も尊い。アルジュナよ、
君自身がその人となれ。
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