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自己を治める者こそ、道に至る


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■引用原文(日本語訳)

自己を制御しない者はヨーガに達し難いと、私は確信する。
しかし、制御して自己を支配した人は、適切な方法によってそれに達することができる。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第36節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 自己を制御しない者は、
  • ヨーガ(統一・合一)の境地に到達しがたいと、
  • 私(クリシュナ)は確信している。
  • しかし、自己を制御し、自己の上に立った人は、
  • 正しい方法(適切な道・修行)を通して、
  • ヨーガに到達できるのである。

■用語解説

  • 自己を制御しない者(アユクタ):心や感覚に支配され、自己統制を欠いた者。
  • ヨーガ(Yoga):自己と真理の統一。精神的な悟り、あるいは霊的実現。
  • 自己を支配した人(ユクタ):心身を統一し、意志と感情を制御した人。
  • 適切な方法(正しい道):バガヴァッド・ギーターにおける修行、すなわち「常修(アビヤーサ)」と「離欲(ヴァイラーギャ)」。

■全体の現代語訳(まとめ)

自分を抑えることができない人が、ヨーガの境地に至るのは難しい。
しかし、自分をよく律して制御できる人であれば、正しい修行によって必ず到達できる、と私は確信している。


■解釈と現代的意義

この節は前節(三五)を補強する形で、自己制御の重要性を説いています。

  • ヨーガの境地=自己の超越、真理との一体化
  • その到達条件=自己統制(心・感覚のコントロール)

ここでの主眼は、能力や才能よりも、「自己を律する力」こそが決定的な差を生むということにあります。
また、「正しい方法によって」という点が重要で、努力の方向性も問われています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
自己統制感情や欲望に振り回されず、自分を律する力が、長期的な成果を生む。
成功の条件資質ではなく「自己マネジメント」が到達の鍵である。
リーダーシップ上に立つ者はまず自分を治め、初めて人を導くことができる。
習慣化正しい方法(時間管理・目標設定・継続的改善)に従って自制すれば、誰でも高みに至れる。

■心得まとめ

「己を治めて、道に達せよ」

己の心を抑えられない者に、どんな高邁な理想も手の届かぬ幻となる。
だが、日々の訓練と節度ある生活を通じて、
己を統御する者は、確かに真の境地に至る。

成功も悟りも、外にあるのではない。
まず、己の内に秩序を築くこと。
それが、ヨーガへの第一歩である。

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