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心の静寂が、至上の幸福を導く


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■引用原文(日本語訳)

実に、意が静まり、激質が静まり、
ブラフマンと一体化した罪障のないヨーギンに、
最高の幸福が訪れる。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第27節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 確かに、心(意)が静まり、
  • 激質(ラジャス)が静まり、
  • ブラフマンと一体となった、
  • 罪なきヨーギン(修行者)には、
  • 至高の幸福が訪れる。

■用語解説

  • 意(マナス):心、思考、感情などを動かす内的作用。
  • 激質(ラジャス):三グナ(性質)の一つ。欲望・活動・興奮を引き起こす性質。
  • 静まり(プラシャーンタ):沈静化、安定化した状態。
  • ブラフマン:宇宙の根本原理、絶対的実在。全存在の本質。
  • 一体化(ユクタ):融合、合一の境地。二元が消えた状態。
  • 罪障のない(アカルマシャム):過失や罪の穢れを離れた、清らかな状態。
  • 最高の幸福(スッカム・ウッタマム):感覚的快楽を超えた、霊的・本質的な至福。

■全体の現代語訳(まとめ)

心が静まり、激しい性質(欲望・衝動)が鎮まった時、
ブラフマンと一体となった、清らかな修行者には、
この上ない幸福が訪れる。


■解釈と現代的意義

この節は、真の幸福は外的な成功や快楽によってではなく、
内なる心の静けさと、欲望を超えた境地によって得られることを示しています。
ブラフマンとの一体化とは、自我を超え、普遍的な存在感覚へと至ること。
現代的に言えば、外界の刺激に振り回されることなく、
静かに深く「在ること」によって得られる安堵と満足です。
これは感情の嵐が過ぎた後に訪れる、静かな晴れ間のようなものです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
情報過多時代の静寂絶え間ない通知・判断・選択の中で、心を沈める時間を意識的に確保することが、精神の回復と創造性の源となる。
欲望に流されない判断成功や報酬への執着を離れた判断は、より長期的で公正な決断をもたらす。
クリーンなリーダーシップ罪障のない=不正をしない/私利を離れたリーダーには、深い信頼と満足が宿る。
静の中の力競争や興奮のエネルギーではなく、「沈静の力」で人を導くリーダーシップが組織の基盤を整える。

■心得まとめ

「静けさの先にある、真の幸福」

動揺を鎮め、欲望を沈め、
心の中心に静かに立つとき、
本当の幸福は、外ではなく内に見出される。
行為の先に、沈黙のような満足があることを忘れずに。


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