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さまよう心を、根気強く自己に戻す


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■引用原文(日本語訳)

動揺し不安定な意がいかなる原因でさまよい出ても、
各々の原因からそれを制御して、自己の支配下に導くべきである。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第26節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 動揺し、不安定な心(意)が、
  • いかなる理由によって迷い出たとしても、
  • それぞれの原因を見極めて、
  • 心を制御し、再び自己のもとへ導くべきである。

■用語解説

  • 動揺し不安定な意(チャーンチャラ・アサティラム・マナハ):落ち着きなく揺れ動く心、思考や感情の波立ち。
  • 原因(ニミッタ):心を乱す引き金。外部の刺激、内面の記憶、欲望、不安など。
  • 制御する(ニヤムヤ):意識的に方向づけし、主導権を取り戻すこと。
  • 自己の支配下(アートマニ・エーヴァ・ワシャム・ナヤット):心を再び本来あるべき「自己の中心」へと導くこと。

■全体の現代語訳(まとめ)

心が揺れ動いて、どんな理由で迷い出たとしても、
その原因に応じて心を制御し、
再び心を自分自身の内側に戻すよう努めなさい。


■解釈と現代的意義

この節は、心の集中や静けさを妨げる「心の逸脱」に対処する方法を説いています。
重要なのは「心が逸れるのは自然なこと」と認めながら、
「その都度、原因を知って根気よく自己に戻す」という姿勢です。
瞑想や集中に限らず、日常でも私たちは気づかぬうちに焦りや雑念に支配されがちです。
だからこそ、「自己に戻る習慣」が大切なのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と適用例
マインドフルネス思考が散漫になるのは自然な現象。だが、自覚した瞬間に戻す練習を繰り返すことで集中力は高まる。
感情マネジメントイライラや不安の原因を把握し、落ち着いて自分の心を修正する技術を身につけることが重要。
生産性の維持中断や気の散る瞬間にも「意図的に立て直す力」をもつ人は、結果として高い成果を保てる。
コミュニケーション感情や先入観に心が支配されていないかを点検しながら対話することで、建設的な関係が築かれる。

■心得まとめ

「心はさまようもの。だが、戻す力が私の中心をつくる」

人の心は常に揺れ動き、外の世界へとさまよう。
それを責めるのではなく、原因に気づき、丁寧に戻す練習を続けよう。
一度乱れても、何度でも静けさに還る力が、
本当の集中力と安定を育てるのです。

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