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■引用原文(日本語訳)
「食べすぎる者にも、全く食べない者にも、睡眠をとりすぎる者にも、不眠の者にも、ヨーガは不可能である。」
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第16節
■逐語訳(一文ずつ)
- 過度に食べる者に対しても、
- まったく食べない者に対しても、
- 必要以上に眠る者に対しても、
- 全く眠らない者に対しても、
- ヨーガ(精神統一の修行)は達成不可能である。
■用語解説
- 食べすぎる者/全く食べない者:いずれも「節制を欠いた食生活」を象徴。暴飲暴食・極端な断食など、身体のバランスを損なう行動。
- 睡眠をとりすぎる者/不眠の者:過剰な休息または極端な活動のどちらも、心身の安定を乱す。
- ヨーガ(yoga):心身の調和・統一を目指す修行。ここでは瞑想や精神集中による自己完成の道。
- 不可能(ナ・アスティ):達成できない、効果が上がらない。ヨーガがその目的を果たせない状態。
■全体の現代語訳(まとめ)
節度を失った食事や睡眠の習慣では、心身のバランスが崩れ、精神修行(ヨーガ)を達成することはできない。
真の道を歩むには、日常の行為においても「中庸」が求められる。
■解釈と現代的意義
この節は、極端な禁欲主義や快楽主義を戒める教えです。
精神的成長を目指すには、心の修練だけでなく、「身体の状態」や「日々の生活習慣」も大切であると説いています。
バランスを崩した生活は、いくら意志が強くても継続できず、内面の統一も乱れます。
調和ある日常が、調和ある心を育てるという原則がここにあります。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈と適用例 |
---|---|
ワークライフバランス | 過剰な残業も、怠惰も、どちらも心身を壊す。持続可能な働き方が、成果を生む土台となる。 |
習慣の力 | 食事・睡眠・運動などの基本的な習慣が整っていないと、集中力・判断力・創造性は低下する。 |
自己管理 | 自分を律するとは、無理をすることではなく、整えること。それが自己成長の基礎。 |
持続可能性 | 「頑張りすぎ」も「サボりすぎ」も長続きしない。成長には、無理のないリズムと環境づくりが不可欠。 |
■心得まとめ
「極端を避け、中庸に生きよ。そこに道がある。」
成功や悟りを求めて、行き過ぎた努力や制限を自らに課すことがある。
しかし、ギーターは教える――節度をもって、安定した生活を送り、心を整えよ。
ヨーガ(心身の統一)も、ビジネスでの成功も、そこに至る道は一つ――「中庸」こそが鍵である。
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